計良宏文 第2回 「2003年、ニューヨークコレクションのメーク担当に抜擢されて自分の仕事観がぐっと拡がりました」

撮影:立木義浩

第1回はこちらをご覧ください。

シマジ 計良ちゃんがはじめて他人の髪の毛に触ったのはいつですか?

計良 高校生のときですかね。当時BOØWYが全盛期だったんですが、わたしも友達とBOØWYのコピーバンドを組んでいて、ライブになると仲間の髪をいじったりメークをしてあげたりしていました。そのときみんなの変身願望を叶えられる愉しさを知って、美容の世界に進むきっかけになったのだと思います。

セオ 高校生のうちから将来の道がみえたのは幸せですね。たいがいの若者は大学に行ってもなかなか自分の進むべき道がみつけられないでいますからね。

立木 電車もない佐渡島にいて、人一倍お洒落で先進的なヘア&メーキャップアーティストの職業にあこがれるって凄いよね。

計良 4歳上の姉の薦めもあって、現在は資生堂美容技術専門学校に名前が変わりましたが、資生堂の美容学校に入学しました。いまは2年制ですが当時は1年制で、翌年に就職のため資生堂を受験したんです。新人美容師の募集で定員8名のところに応募者が80名もいました。その凄い倍率をなんとか突破して合格できたのですが、今度は過酷な研修が待っていました。

シマジ 計良ちゃんの仕事は華やかにみえるけど、下積みが長いんだよね。

計良 そうです。この世界はとにかく練習あるのみです。朝は開店2時間前に出勤して朝練をし、夜は閉店後終電までの夜練です。疲れて居眠りすることもよくありました。

セオ ハードな毎日ですね。競争も激しかったんでしょうね。

計良 はい。でも好きで入った道ですから、辞めたいなんて一度も思いませんでしたね。ただただ他人より上手くなりたい一心でした。