「国家戦略特区」推進のために、都知事が存在しているわけではない!
〔PHOTO〕gettyimages

多様性こそ東京の魅力

「国家戦略特区」について、様々な議論がなされている。東京都も特区に指定され、具体的な提案を行っている。ところが、特区に関わっている一部の学者たちが、「東京都は特区に消極的」だとか、「舛添知事はやる気がない。あれは、改革派ではない」とかいった批判をしている。

これらの批判に対しては、先々週の定例記者会見でも反論しておいた。たとえば、特区の地域について、東京都はとりあえず23区中の9区を指定したが、「東京都全域を指定しないのはけしからん」と、先の学者たちは言う。彼らは、東京都の地理を知っているのであろうか。

三多摩や島嶼部がある。先般の大雪の被害で孤立し、自衛隊の出動を要請した奥多摩地域などと港区や渋谷区と同列には論じられない。今なお台風被害の爪痕が残る伊豆大島とて、同様である。

9日には、「島じまん」キャラバン隊が都庁に来たが、八丈島、三宅島、小笠原諸島など、東京都の行政地域の広大さを再認識させられた。この多様性こそ東京の魅力なのである。

そのような各地域の特性も無視して、「東京都全地域を特区に指定しないから、知事が特区構想を邪魔している」という。雪崩が発生するような奥多摩地域や、災害復旧に全力をあげている大島に、虎ノ門と同様な高層ビルを建てるのであろうか。

どの地域であれ、地元の要望がまとまり、規制緩和によって、それを実現しようという合意が形成されれば、既存の9区に、他の区や市町村も付け加えていく方針である。

一部の学者や評論家が、自分たちの考え方のみが正しいと主張するのは自由であるが、現実の政治や行政では、関係者の理解を得て、困難な課題を一つひとつ解決して、着実に前に進めていくしかない。

再開発に反対する地権者が一人でもいれば、誠実に説得していくしかない。だから、環状2号線の新虎通りにしても、先日開通するまでに、実に68年の歳月がかかったのである。そのような現状と、関係者の血のにじむ努力を一顧だにせずに、机上の空論を振りかざされても困るのである。

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