小池良次「シリコンバレー・イノベーション」

ブロードバンド・コンテンツ不毛の日本には"無縁"な「ネット中立性議論」

2014年05月08日(木) 小池良次(Ryoji Koike)
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NCTA Cable Showでネット中立性案を解説し、業界の自粛を要望するトム・ウィラーFCC委員長(筆者撮影)

「オープン・インターネットの議論は過去10年間にわたっている。もう十分だ。そろそろ終わりにすべき時が来ている」

場所はロサンゼルス・コンベンションセンター。先週、FCC(連邦通信委員会)のトム・ウィーラー委員長は米ケーブル・テレビ業界団体NCTAが主催する年次総会「The Cable Show」の基調講演でそう訴えた。猛々しいとも言える厳しい口調でオープン・インターネットの重要性を訴える委員長に会場は水を打ったように静まり返った。

米国ではギガビット・サービス競争が、今年から始まろうとしている。そうした中、ブロードバンドの担い手、米ケーブル・テレビ事業者にFCCはネット中立性議論で自粛を促した。光ファイバーはあってもサービスがない日本を尻目に、米国は、コンテンツとネットワークの好循環で市場拡大に動いている。

因縁のネットワーク中立性規制

まず最初に、紆余曲折を経てきた米国の「インターネット中立性」の議論を簡単に説明しよう。

今世紀に入りAT&Tなど大手ブロードバンド事業者が固定網を中心にブロードバンド整備を進めたが、2005年頃から急増するネットワーク投資に耐えかねて、ネット事業者に投資負担を求める動きが表面化した。グーグルやアマゾンがブロードバンドの恩恵だけを得て急成長しているとの主張から「ネットタダ乗り論」と呼ばれた。

これに対しネット事業者や市民団体が「ブロードバンド事業者は優位な地位を乱用し、ユーザーの平等性を侵害しようとしている」と反論し、インターネット中立性の規制議論が活発化した。ちなみに、最近米国でよく耳にするオープン・インターネット規制は、インターネット中立性規制と同じ意味だ。

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