ノバルティス事件「高血圧村」の生態と罪に地検のメスが入らない理由
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東京地検特捜部が、2月19日と20日の両日、薬事法違反(誇大広告)で家宅捜索を行ったノバルティス事件は、押収した資料の分析などを経て、ゴールデン・ウィーク明け後から捜査を本格化、関係者の事情聴取を始める見通しとなった。

地検特捜部の捜査はまたしても立件に「慎重」

世界有数の製薬会社・ノバルティスファーマは、降圧剤ディオバンの臨床試験販売に際し、データを改ざん、それをもとにした論文で「他の降圧剤より、脳卒中や狭心症を防ぐ効果が高い」と、「偽りの効果」を謳った疑いがかけられている。

既に、臨床試験を行った5大学のうち4大学までがデータ改ざんの事実を認めて謝罪した。データ操作に関わっていたノバルティスの元社員(事件発覚後の昨年5月に退任)が、身分を隠して「大阪市立大学非常勤講師」の肩書で試験に参加したことも判明。立件は容易に思われるが、実際のところハードルは高いという。

まず、当該の元社員が、データ改ざんの事実を否定、「アドバイスをしていただけ」と、主張していること。また、たとえ意図的なデータ操作が立証できても、元社員やその上層部と広告担当部署との“共謀”に踏み込むのが難しい。

薬事法違反の誇大広告は2年以下の懲役か200万円以下の罰金。法人を罰する「両罰規定」も設けられているが、適用には個人(社員)の立件が前提で、報道の盛り上がりに比べて捜査現場は慎重だという。

それでも、ノバルティス事件が提起した問題は大きく、事件の行方はともかく、事件を引き起こした「腐敗の構図」は、徹底解明のうえで改革すべきだろう。

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