野球
二宮清純「カープ好調の陰に指揮官の“抗議”あり」

退場が呼んだ逆転劇

開幕前から「状態のいい人を使う」と語ってきた野村監督の選手起用も当たっている。

 球界には「カープは鯉のぼりの季節まで」という“定説”があります。しかし、どうやら今季はそうでもなさそうです。

 4月を終えて広島は18勝9敗の成績でセ・リーグの首位。2勝1敗の好ペースです。もし優勝するようなことがあれば、実に23年ぶりとなります。

 広島の変貌ぶりを示すゲームとして4月22日の神宮球場での東京ヤクルト戦をあげたいと思います。2回までに4点を奪われた広島ですが、3回に1点、5回に2点を返し、3対4で6回を迎えます。

 1死一塁の場面で堂林翔太選手はサードゴロ。二塁封殺を狙った三塁手の川端慎吾選手の送球より、一塁ランナー田中広輔選手の足の方が早くベースに入ったように映りました。ところが、杉永政信塁審の判定はアウト。これに怒った野村謙二郎監督は脱兎のごとくベンチを駆け出し、杉永塁審に詰め寄ります。帽子を叩きつけて抗議し、遅延行為で退場となりました。

 チャンスは潰えたかと思われましたが、2番の菊池涼介選手がレフト前ヒットでつないで一、二塁。ここで3番の丸佳浩選手の右中間へのタイムリー三塁打が飛び出します。広島はこの回、一挙3点を奪って試合をひっくり返しました。

 試合後の丸選手のコメントが印象的でした。
「監督がああいうかたち(退場)になってしまったので、沈みかけていたチームに火がついたというか、雰囲気が変わりました」

 逆転勝ちを収めた広島は、この試合から4連勝するのです。