「ゆりあげ朝市」は「民」の力で震災前の1.5倍の売り上げになった! 
成功の秘密を、櫻井広行理事長に聞いた

震災前よりにぎわう「ゆりあげ港朝市」  (写真はすべて筆者撮影)

宮城県名取市閖上(ゆりあげ)。2011年3月11日の東日本大震災で10メートル近い巨大津波に呑み込まれ、5500人が暮らしていた漁港を中心とする街は姿を消した。800人を越す死者を出した街は3年1ヵ月が過ぎた今も、建物はまったく立たず、荒涼とした風景が広がる。

そんな一角に見事な復活を遂げた場所がある。港に面した広場にある「ゆりあげ港朝市」。

震災前以上に賑わうようになったその秘密を、櫻井広行・ゆりあげ港朝市協同組合理事長に聞いた。

震災前の1.5倍になった朝市

ーーー昨年の大型連休に閖上の名物「ゆりあげ港朝市」が元の場所で復活して1年が立ちました。1年ぶりに取材に伺いましたが、すっかり整いましたね。

櫻井 昨年のゴールデンウィークに仮復活し、昨年末に本格的な営業再開にこぎつけました。毎週日曜日と祝日に開いている朝市には7000~8000人がコンスタントに来ていただけるようになりました。

朝6時から10時ごろまでの営業だったものをお昼過ぎの13時ごろまで営業するようにしたこともあり、出店しているお店によってバラつきはありますが、売り上げは震災前の1.5倍から2倍になっています。毎週来ていただける常連さんなど大勢のお客さんや支援していただいた多くの方々のお陰です。本当に感謝しています。

櫻井広行「ゆりあげ港朝市協同組合」理事長

ーーーカナダ政府から寄付されたカナダ製木材を使った建物「メイプル館/カナダ・東北友好記念館」も1年前とは比べものにならない賑わいですね。

櫻井 メイプル館には飲食3店舗がテナントとして入り、こちらは朝市以外の日や時間帯も営業しています。東北の海産物などお土産も買うことができます。平日に被災地視察に訪れる観光客が、立ち寄っていただける場所ができました。

ーーー内部では津波の様子を伝えるテレビニュースのビデオ映像などを流すコーナーもあります。

櫻井 当初は反対意見もありましたが、津波の恐ろしさを後世に伝え、日ごろからの防災意識がいかに大事かをたくさんの人たちに訴えたいと考えて設置しました。津波の恐ろしさを私自身の口からお話することもあります。

ーーー1年前はメープル館のほかに店舗棟が1棟あっただけでしたが、店舗棟がさらに1棟と、飲食店棟が1棟建ちました。

櫻井 仙台などから車で朝市にモノを買いに来る第一波のお客さんの後に、遅めの朝食や昼食を食べがてら遊びに来る家族ずれが来ます。食事をしたり、ゆっくりコーヒーを飲める場所ができたことで、お客さんの滞在時間が延びました。

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