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2020年五輪「東京開催決定」(!?)記念企画
世界自動車オリンピック

自動車販売台数、保有台数、
道路舗装率、最高出力、クルマの全長……
などで、金メダルを獲るのはどの国だ!?

クルマ界にもオリンピックがあっていいじゃないか。白熱のメダル争い、必至!

サブタイトルにある、2020年五輪「東京開催決定」……。結果いかんによっては〝やってもうた感〟が漂う企画だが、賑々しく「世界自動車オリンピック」を開催したい!

というのも、この原稿を書いているのは8月29日。そして、2020年の五輪開催地が決定するのは9月7日。10日発売の今号がみなさんのお手元にある頃には開催地が決定しているわけだが、実に微妙な決定前の企画にGOサインが出たもんだから突き進むしかない(もちろんは東京開催を望むが……)。

さて、この企画の中身。「世界自動車オリンピック」といっても国連加盟191カ国のなかでクルマを生産したり、クルマ保有台数がかなり多い国は限られている。ということで特別ルールとして、予選を勝ち抜いた「クルマ産業が盛んな国」十数カ国(例外あり)が競い合うことを軸に、オリンピッとして開催していきたい。

大きく「クルマ事情編」と「クルマ能力編」の二部門でメダル争いを繰り広げてもらう。東京開催(!?)の前に、メダル獲得数がトップの国はどこだッ!?

世界自動車オリンピック クルマ事情編

クルマ事情編」はクルマの生産台数や輸出入数、舗装道路状況など、その国の自動車産業やカーライフ的視点で数などを競う。種目により例外はあるが、基本として数が多いほど金メダルに近づく。意外な国がメダル争いに顔を出すかも!? 注目だ。

第1種目生産台数

まずは各国の自動車生産台数から。乗用車と商用車を合計した数値で、'12年のトップ20は左表のとおりだ。1位は'11年に続いて中国でこれは想像通り。2位アメリカは前年比約19%の伸びがあり、盛り返している感じだ。日本は東日本大震災などの影響の反動で、'12年は約18%の伸び。3位の銅メダルを獲得。

いっぽう元気ないのは経済低迷が続く欧州組。ドイツが前年比約8%減の4位、フランスが約12%減の13位。イタリアにいたっては21位の圏外だ。

第2種目販売台数

上の生産台数に続き、販売台数トップ20を紹介。入手可能な資料の関係でデータの出どころと年が1年違うが、メダル獲得の3カ国は同じ、中国、アメリカ、日本という結果になった。

しかし、生産台数と販売台数、それぞれのトップ20を比較すると順位の変動もけっこうある。ドイツが販売でひとつ順位を下げているが、それにも増して生産台数5位の韓国が販売台数で13位と大きく後退。ヒュンダイ&キア連合をはじめ世界ではどんどん作られているが、韓国国内ではクルマは爆発的に売れていないことを表わしている。

同じ傾向なのがタイ。ホンダや三菱など各国の工場が多く生産台数は9位だが、販売台数ではようやく20位に顔を見せている。逆にブラジルは販売4位で、クルマ販売が著しい国として注目されている。

第3種目保有台数

乗用車、トラックなどの商用車を含めた「保有台数」種目。メダル争いはさぁ、どうなる!? ……第1~3位と順位に変動はあるが、国は同じという結果に。

で、金メダルのアメリカ、こりゃもう桁が違って億単位の保有台数です! もっとも人口が約3・1億人いるわけだから約2・5億台もナットク。人口でいうなら中国は約13.4億人いるが1億台には満たず。が、この国はご存じのとおり急速な発展により銀メダル獲得となった。なにせ20年前に比べ約16倍の保有台数なのだから……。

そのほかではここ数年で一気にクルマ文化が押し寄せている9位のブラジルや、12位のインドなどが注目したい国だ。

第4種目保有1台あたりの人口

「保有1台あたりの人口」というのはつまり、何人にひとりがクルマを持っているのか? ということ。

先に結果から述べるカタチになるが、左下の表から例に挙げてみよう。ケニアの場合、93・03人に1台の割り合いでクルマを持っているのに対し、アメリカは1・25人に1台の割り合いでクルマを持っているわけだ。アメリカがいかにクルマが数多く走り、保有されていることがわかる。

紹介する左下の表だが、右の表は1台あたりの人口が多い順で並べ、左表はその逆で人口が少ない順で並べてある。それぞれの金メダルは述べたとおりケニアとアメリカだが、右ページで紹介してきた各種目で登場しなかった国が数多く顔を見せる結果となった。

右の表では全体的にアジアやアフリカ、中米が多く、日本や欧州の自動車メーカーが市場拡大に向け、それらのエリアへの販売に力を注いでいるのもわかりますぞ。

第5種目メーカー別(国代表)世界販売台数はどうなっている?

やや番外編的ではあるが、自動車生産台数のメーカー別ランキングで競い合うことにしよう。

そのメーカーがある〝国別対抗〟という具合だ。

入手データとして最新が2011年だったため、2012年に世界生産トップに返り咲いたトヨタ(日本)が1位(金メダル)ということにならないが、その'11年のトップはGM(アメリカ)。'10年はトヨタに次ぐ2位だが、再び1位に。主力のシボレーブランドの大きな伸びと、東日本大震災などの影響によるトヨタの落ち込みで1位が舞い込んできたカタチだろう。

アメリカという国全体でみると、5位にフォード、12位にクライスラーが入っている。この翌年の'12年には'09年の低迷期以来、初めて〝ビッグ3〟の北米事業が黒字になったのだ。

銀メダルはVW(ドイツ)。ドイツは西欧マーケットでは生産の約4割を占める国で、そのドイツでグループシェアが36%という最大手のVWが世界2位になるのもうなづける。

3位のトヨタ(日本)に続くのは4位ヒュンダイ(韓国)。ヒュンダイ同様に北米に工場を持つ起亜とのグループ連合で、'10~'11年は世界的にも上昇気流。ブランドイメージ向上の成功や価格設定の見直しなどで、北米だけでなく欧州でも売れた。が、'12年のヒュンダイグループはストライキの影響などもあり、販売が減少。一時期の勢いを失っているのが現状だ。

フランスでトップは7位のプジョー・シトロエン。ライバルのルノーより2ランク上。この2大メーカーのおかげで、'11年のフランスメーカー全体の世界生産は前年比微増で約645万台だったという。

最後に日本。トップ20に6社が顔を見せているが、〝海外重視〟の裏返しともとれそうだ。インドで大人気のスズキの健闘ぶりが光りますぞ!

第6種目輸出台数

世界で最もクルマを輸出している国とは? 『世界自動車統計年報』では11カ国のデータを紹介しており、'11年輸出台数のランク付けしたのが下の表だ。

トップに立ったのは、ドイツでも日本でもなくフランス。ドイツは2位だ。1位のフランスはドイツと日本に並んで自動車輸出が多く400万台を超える国で、乗用車の輸出台数はドイツよりも少ないが、トラックとバスは'11年には25万台弱フランスのほうが多かった。日本は東日本大震災による生産台数の落ち込みの影響もあって、輸出台数は前年の1位からダウンして'11年は3位という結果に。銅メダル獲得だ。

これに続く4位が韓国。生産台数世界1位の中国の輸出台数は、年々伸びているが8位だ。

第7種目輸入台数

輸出とは逆にクルマの輸入が多い国はどこか? こちらも『世界自動車統計年報』の主要11カ国の'11年データによると、1位は770万台以上を輸入したアメリカ。2位のドイツに530万台近くも差をつけるダントツトップで自動車輸入では超強豪国だ。このアメリカは輸出台数が約170万台で6番目とあまり多くないことを考えると、TPP交渉が長引くのも仕方がないのか?

3位はイタリアで、2000年代は、アメリカ、ドイツ、イタリアの3国が常にメダルを獲得。フランスは'11年のデータがなく今回不参加となったが、例年トップ3に続く、4位の輸入台数となっている。

第8種目 ガソリン価格

次の種目はガソリン価格。サイフにやさしい価格の安さで戦う競技だ。この種目に参加する国は、IEA国際エネルギー機関がまとめている主要8カ国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス、日本、カナダ、アメリカだ。なお、各国の価格を比べる場合、為替の問題があるが、ここではこのIEA国際エネルギー機関が公表している今年7月の米ドルでの価格で比較した。

そのデータで順位付けしたのが下表で、1位は唯一リッターあたり1ドル以下のアメリカで949セント。7月の為替レートで算出すると約95円。4位とメダルを逃した日本の1・552ドル(=約155円)と比べると大幅に安い。そして、2位はスペインで1・180ドル(=約117円)、3位はカナダで1・266ドル(=約126円)。ちなみにスペインは税抜き価格が日本よりも高いにも関わらず、税込みだと安い。

番外編1 米コンシューマー・レポートのTOP10車

独自のテストを行ない、消費者に薦められないようなクルマには厳しい評価を下して信頼を集めている米国の有力消費者誌『コンシューマー・レポート』では毎年、自動車ランキングを実施している。今年もすでに、耐久性や安全性、走行テストを行なった結果を公表していて、その各部門のトップに輝いた10車が下表。コンシューマー・レポートのテストを勝ち抜いた金メダリストたちというわけだ。

その10部門のうち、トヨタがサイオンブランドを含む3部門、ホンダが3部門、スバルが1部門で、日本車が計7部門のトップを獲得。まさに日本の金メダルラッシュだ。

ブランド別ベスト10でも、1位サイオン、2位トヨタ、3位レクサス、4位マツダ、5位スバル、6位ホンダ、7位アキュラと、上位7位を日本車が独占。

第9種目 国内の道路状況

さて、次の種目は道路に関する2つの競技。

まず1つめが道路延長距離で、参加国は『World Road Stastics2011』で公表された13カ国。ただし、ここでは単純な道路延長距離ではなく、自動車保有台数1000台あたりの道路延長で比較した。道路網が充実していてクルマの混雑度も少ない国ほど上位になるわけだ。1位は道路延長では6番目の距離となるスウェーデン。確かに道路が整備されクルマも少ないイメージかも。2位はカナダ、3位はオーストラリアで、メダル獲得はこの3カ国。日本は7位で、単純な延長距離では3位だったが、クルマの数が多かった。

もうひとつの競技は道路の舗装率。こちらは主要な10カ国で比較した。すると結果はなんと、イギリス、アメリカ、オーストリア、フランスの4カ国が舗装率100%で1位。これに次いで日本は80・1%となる。フランスなど田舎街の風景をイメージさせるが、しっかり舗装していたとはちょっと意外かも。

第10種目 事故死者数

交通事故の死者数が少ない国はどこなのか? 『自動車年鑑』でまとめられた'10年に調査した10カ国のデータをもとに、年鑑の事故死者数の少ないほうから順位付けしたのが下の表だ。

最も少ないのはスウェーデンで266人。2位はオランダで537人。この2カ国は人口と自動車保有台数が、ほかの8カ国と比べてかなり少ないことが影響してることは確かだろう。

逆に、この10カ国で事故死者数が最も多いのはアメリカ。それに次いで多いのが日本だが、クルマの生産台数の多い両国だけに、これは深刻な問題だ。

クルマ事情編 結果発表!

10種目の競技を終えての途中経過を紹介。ここまで一番多く金メダルを獲得しているのはアメリカの6個。全メダル数8個と圧倒的な強さを見せる。日本は銅メダル5個と善戦しているが金が欲しい。後半戦に期待!

番外編2 世界で初めてのクルマ&クルマ出来事

世界初のガソリン車としては、1885年に作り出されたドイツのカールベンツのガソリン車第一号といわれているのが有名だが、そのほかクルマに関する世界初がどの国に起こったのかをチェックしていきたい。

●最初に内燃機関付きクルマを売った会社
ドイツのベンツ社が、ガスエンジンに電気式点火装置などを取り付けた3輪車を1887年に発売した。

●最初の自動車事故
1771年、パリの砲兵工場の敷地内で蒸気トラックが低い壁に衝突したのが最初といわれている。スピードの出し過ぎではなく、ステアリングギア比が小さすぎて適切なハンドル操作ができなかったらしい。

●王族で初めてクルマの運転をした人
1893年に、後のエドワード7世となるイギリス皇太子がチョコレート製造業者が所有する蒸気機関車を運転した。なお、この皇太子は1899年にダイムラーを購入した。

●最初のサーキットレース
自動車による最初の競技としては1894年にフランスのパリ~ルーアン間で行なわれたレースがよく知られているが、初のサーキットレースも同じくフランスで開催。1900年にメランで行なわれた72・5㎞ある三角形コースを2周するレースが最も古い。

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