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生きとし生けるものクルマ界のサバイバル どんだけ残っている?あれの残存率

クルマは趣味性の強いものであると同時に世相を反映したり、風俗とも強く関連していたりするので流行り廃りは日常茶飯事で、〝栄枯盛衰〟を繰り返している。特に一大ブームになったり、隆盛を誇ったものや事象ほどその凋落ぶり、衰退ぶりに目がいってしまう。

まぁ、お笑い界の一発屋芸人と同じようなものだ。だから時間が経過すれば忘れ去られてしまうのはしようがない。で、売れれば売れるほど、注目度が高ければ高いほどその後は儚い運命が待っている傾向が強い。

本企画では単にかつての流行を遡っていくのではなく、かつて超絶に流行ったもの、注目されたもの、ブームになったものが現在どのくらい残っているのかを推測していきたい。データや当時を経験した人間、BC独自の考察などを交えながら展開。さて、アナタの気になるアレは登場するか?

まずは、最近とくと聞かなくなったクルマでナンパから。

あの頃はみんなガツガツ飢えていた?ナンパ橋の利用者 残存率ほぼゼロ

ナンパ橋としての需要はなくなったが、海が見える眺めのよさからデート需要が高い美浜大橋

全国各地にナンパスポットが存在するなか、今から十数年前の'90年代の中盤から終わりにかけて、すなわち20世紀末ということ、関東最大のナンパスポットといわれたのが千葉県の幕張にある〝美浜大橋〟。通称ナンパ橋と呼ばれて、若い男女の出会いの場となっていた。

幕張といえば千葉県のビジネス&新興住宅地で、幕張メッセ、各企業が移転、QVCマリンフィールド、大型ショッピングモールなどで賑わっているが、その頃はまだまだ発展途上段階で、道は整備されていてきれいだし道幅は広いのに人もクルマ通りも少ないということで、違法改造車を中心に公道ゼロヨンが行われていたいわば無法地帯となっていた。

まぁ、ナンパ橋の隆盛と公道ゼロヨンは密接な関係にあったのだが、場所が場所だけにこのナンパ橋の特徴は、クルマでナンパするということ。大阪の有名ナンパスポットの戎橋(通称ひっかけ橋)とは違う。

だからナンパする男もナンパ待ちの女もクルマだ。男女単独というのはほとんど皆無で、基本的に男も女も2~3人のグループ。2~3㎞にわたり、女の子が乗り合わせたクルマ(軽自動車がメイン)がズラリと並んでいるところを男たちが乗ったクルマがゆっくりと品定めして声をかけていくという壮観な眺めに当時ナンパ橋の取材にいった本企画担当も感激。

ではナンパ橋と呼ばれた美浜大橋、今はどんな状態なのか?

ナンパ橋時代のようにクルマがいっぱい止まっているということはないが、ナンパ橋からデート橋へと変貌を遂げている。いっぽう、ナンパをしている人、ナンパ待ちをしている人はゼロ。この美浜大橋は海が見えることもありデートスポットとなっている。ナンパ橋利用者の残存率はほぼゼロ。

ただ、形態は変わったが、美浜大橋が大人の男と女の関係に大きく影響しているのが変わっていないのはちょっと安心。

■当時を知る人間は……

ナンパを続ける山岡さんのようなバイタリティがクルマ界を活性化する

女性のクルマの窓がちょい開けされると会話OKのサインなので交渉開始となるが、それが出なければ粘らない、とか車外には出ない、交渉が成立したら速やかに列から抜けていく、などナンパ橋にはいくつか掟があって、成功するうんぬんよりも純粋に女の子と話すのを楽しんでいたかな。まぁ、けっこう成功率は高かったですけど。

ナンパ橋には曜日に関係なくクルマはいたね。金曜日や、特に土曜日はもの凄いことになっていて、女のクルマは地元がメインだったけど、男のクルマは近県ほとんどいた感じ。男も女も飢えていたんだろうね(笑)。当時流行っていたゼロヨンのギャラリーが流れてきていたのもあり大盛況だったですね。

ただ、今はクルマでナンパはダメッスよ。女の子はクルマから声をかけるだけで怖がっちゃう。クルマはプライベート空間が得られるけど、それはつきあうようになってからのデートツールとしてだね。まぁ、若い人があまりクルマを持っていないのでクルマがナンパツールになるってことは今後もないでしょうね。

というのは、かつては毎週末のようにナンパ橋でナンパに勤しみ、結婚後の今もナンパが趣味という千葉県在住の山岡顕一さん(48歳)のコメント。山岡さんは最後に、

「今は高いクルマって女の子は警戒するよ。それと、○○さんですよね?っていう人違いを装ったナンパはもう廃れてバカにされるだけだからやらないようにね」

だって!

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