佐藤優さんに質問---「憲法第9条を推進した日本の市民団体がノーベル平和賞の候補にあがっていますが、この動きについてどう考えていますか?」

佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」vol035 質疑応答より

【質問】 日本の市民団体が、ノーベル平和賞の候補に憲法9条を推薦し、ノーベル賞の委員会が受理したという報道がありました。この件についてお聞きしたいです。まだ受理の段階で、受賞という流れには到底進んでいない状況だと思うのですが、仮に選定された場合、現在の安倍政権が進めるNSCなどの政策と大きく矛盾することになると思います。佐藤さんは、この動きについてどのように考えていらっしゃいますでしょうか?(匿名・20代男)

【佐藤優さんの回答】 この申請をした人たちは、まさに安倍政権を牽制するためにノーベル平和賞を利用しようと考えているのでしょう。このような外圧を用いて、自分たちが正しいと考える政治的主張を実現するという手法を私は好みません。

* * *

【質問】 公明党は、「集団的自衛権の行使は認めない」との立場を堅持するため、「個別的自衛権」の解釈を変更(拡大)することで、与党間の折り合いをつけようとしているように見受けられます。こうした公明党の手法は、結果的に麻生副総理の発言のようなことを実行しているようにも思えますが、佐藤さんはどのような評価をされているのか、教えてください(匿名・30代会社員)

【佐藤優さんの回答】 公明党は政党なので、現実の政局でさまざまな妥協が必要とされるのでしょう。最近の公明党幹部の本件に関する発言は政治的駆け引きの中でなされているものなので、これだけで公明党の方針を判断することはできないと私は考えています。

集団的自衛権をどう解釈するかは、現象面の問題です。重要なのは、安倍政権の積極的平和主義について公明党が本音のところでどう考えているかです。私は、公明党よりも、本件について創価学会がどのように考えているのかに関心があります。

* * *

【質問】 私は公認会計士です。本日4月19日に行われた佐藤先生の「インテリジェンスの教室」特別セミナーで、「TPPによって公認会計士の仕事は今後大変になる」というようなご発言があったと記憶しています。公認会計士が今後生き残るための施策として佐藤先生が考えるものは何かありますでしょうか。(匿名希望・30代)

【佐藤優さんの回答】 いくつかの方策があると思います。まず、英語力を強化して、国際化に対応できるようなスキルを磨くことです。マニラ(フィリピン)の日本人ビジネスパーソンを対象とするインテンシブな英和会話学校で短期集中で研修すると、かなり力がつくようです。

外国語があまり得意でない場合、有能な弁護士、税理士、行政書士などと連携をして、時代の変化に対応する仕事を作っていくことです。基本的に、心配することはないと思います。公認会計士試験に合格する力がある人は、理解力、記憶力、再現力、運用能力が秀でているわけですから、時代の変化に対応する基礎体力があります。時代の流れを見誤らずに、適応するスキルを身につければいいだけのことです。同じことが、弁護士にもあてはまります。

佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」vol035(2014年4月23日配信)より