佐藤優のインテリジェンス・レポート---朝日新聞の報道姿勢が「右」に振れるときは政策に直結する場合があるので、注視しています。
佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」Vol035 インテリジェンス・レポートより
【はじめに】

ウクライナ危機との関連で、日本は、日米同盟の枠組みのぎりぎりのところで自主外交を展開しています。安倍政権がどこまで自覚しているかはわかりませんが、日本は帝国主義的な勢力均衡外交に急速に傾いています。ウクライナ情勢分析に関する本メルマガでの分析には、あちこちから反応があります。外国語にも訳されているようです。ありがたい話です。

朝日新聞の沖縄報道に変化が生じています。もう少し経つと、琉球新報が朝日新聞に対して厳しい姿勢をとるようになると思います。一方、沖縄タイムスは朝日新聞と提携しているので、どうしても抑制された対応になります。朝日新聞の報道姿勢が「右」に振れるときは政策に直結する場合があるので、注視しています。

4月24日に拙著が店頭に並びます。
  佐藤優『宗教改革の物語――近代、民族、国家の起源』角川書店

です。角川書店の担当編集者が、「近代、民族、国家、ナショナリズムの起源となった宗教改革。この知識なくして近代以降を、国際社会のゲームのルールを理解することは出来ない。佐藤優がすべての力を投入し、我々を世界水準の知識人へといざなう!!」
と内容を要約していますが、私の意図を正確に反映しています。少し値段が高い(税込みで3564円)ですが、是非、手に取ってみていただきたいと思います。今どき珍しい箱入り本です。「まえがき」に現時点での私の問題意識と今後、やりたい仕事について記しました。

■分析メモ No.80「朝日新聞の沖縄観」

【事実関係】
4月17日付「朝日新聞デジタル」は、沖縄県が実施した中国に関する世論調査についてこう報じた。

<沖縄「中国に良くない印象」89% 県民意識調査

沖縄県が実施した中国についての意識調査で、県民の89%が「良くない印象」「どちらかといえば良くない印象」と答えたことがわかった。ただ、日中間に領土問題があると考える人でも、解決策で「領土を守るため、日本の実効支配をより強化するべき」だとした人は11%にとどまった。尖閣諸島という「対立の現場」を抱える一方で、平和的解決を求めている表れだと報告書は分析している。

調査は、政府が尖閣諸島を国有化した2012年に次いで2回目。中国への印象について「良くない」は前回の31%から39%に上昇。理由で最多だったのは「尖閣諸島を巡り対立が続いている」で65%だった。

尖閣をめぐり、政府は「領土問題は存在しない」との立場をとっている。しかし「日中間に領土問題は存在していない」と答えた県民は19%にとどまり、「存在している」が65%にのぼった。

「存在」とした人に解決策を聞くと、「両国で交渉し平和的解決をめざす」43%、「国際司法裁判所に提訴する」26%、「まず偶発的な軍事衝突を回避する」12%、「実効支配をより強化する」11%と続いた。

沖縄は、歴史的に中国とのつながりが深いが、戦後、一転してアメリカに占領された。米国と中国のどちらに親近感があるかを尋ねると、「米国」(59%)が「中国」(4%)を大きく上回った。・・・(以下略)

【コメント】
1.―(1)
この報道は、現在、中央政府が進めようとしている米海兵隊普天間飛行場の辺野古(沖縄県名護市)への移設を側面から支援することを意図したものである。

1.―(2)
沖縄県民の89%が中国について「良くない印象」「どちらかといえば良くない印象」を持ち、さらに同県民の59%が米国に親近感を持っているならば、抑止力を強化し、軍事衝突を回避するために辺野古移設が合理的選択であるという結論が導き出される。

1.―(3)
東アジアの海域で軍事紛争が起こる危険性については、「将来的には起こる」が43%と沖縄県民の危機意識が高まりつつあることも強調している。・・・・・・

佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」vol035(2014年4月23日配信)より

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