ISHINOMAKI2.0代表理事 松村豪太さん【前半】「若者が大活躍する新しい石巻づくりへの挑戦」
『東北発10人の新リーダー~復興にかける志』より抜粋
ISHINOMAKI2.0HPより

『東北発10人の新リーダー復興にかける志』第10章より抜粋

石巻を新しい町へとバージョンアップを

ISHINOMAKI 2.0(以下、石巻2.0)は、石巻市を震災前の状況に戻すのではなく、新しい町へとバージョンアップ、つまり生まれ変わらせることを目的としてさまざまな活動を実施している団体だ。当初は任意団体として活動していたが、2011年6月、一般社団法人として登記し、その活動の幅を広げている。

石巻2.0のメンバーには、地元の若い商店主やNPO職員をはじめ、建築家、まちづくり研究者、広告のクリエイター、インターネットビジネス関係者、学生などさまざまな職能を持つ人々が、石巻内外から集まっており、石巻市内でも有名な存在になっている。

これまでに生み出したプロジェクトは、「IRORI石巻」「2・0不動産」「2・0エクスカーション」「いしのまき学校」「復興BAR」「復興民泊」「石巻経済新聞」など、本当に多岐にわたっている。震災後の混乱の中において、石巻の復興のことを心から想い、多様なプロジェクトを創出し、実行し、新しい風を吹き込んでいるのだ。その石巻2.0を代表理事として引っ張っているのが松村豪太だ。

生い立ち

松村豪太は、1974年石巻市に生まれた。小学校、中学校と石巻市の地元の学校に通っていたが、北海道の高校へ進学した。その経緯について彼は次のように語る。

「石巻というまちは閉鎖的なところがあって、特に中学校ぐらいの時はまち全体がつまらない、学校もつまらないといった感じで、若気の至りというかいわゆる中二病(思春期特有の背伸びしがちな発想や価値観、行動のことをいう)状態で、自分の周りを一度ゼロに戻したいと思いました。親にわがままを言って高校は北海道で寮生活をさせてもらいました。そこで今の自分が形作られたと思いますが、実際に石巻を出てみると、どこも同じという印象を持ったことも事実です」

「東北発 10人の新リーダー~復興にかける志」
震災から3年。被災地の東北では今、真の復興と新たな地域創造を目指して、多くの人が立ち上がり、さまざまな活動を実践している。中でも注目されるのは、次代を担う若い人材が続々と誕生していることだ。
本書では、主に20代から30代の若手経済人ら10人を紹介している。その活動や職業は実に多彩だ。
最先端の技術を使ってイチゴのブランド化に成功した例や、海産物の新たな流通モデルの構築に取り組む20代の漁業後継者、被災地で美容室を経営し雇用の場の創出にかける男性、地域の子どもたちに学びの場を提供する女性とその仲間たち…。
登場人物に共通するのは、単に従来の形の東北に戻すのでなく、新しい東北を作っていこうという「熱い志(こころざし)」である。若い彼ら、彼女らのバイタリティーに驚くばかりだ。
5人の著者は、ビジネスリーダーの育成に取り組むグロービス経営大学院の教官や学生。「新しい東北を作ることは今後の日本の在り方の先を行くこと。継続しながら、新しい力を」と代表の田久保善彦さん(経営研究科研究科長)。10人の若きリーダーたちの活動を通して、東北の可能性を探る。読んでいるうちに元気になる一冊。