【第1回】はこちらをご覧ください。
お客様に買ってほしい。それが、あらゆる企業の願いだと思います。
例えば、ホームページで企業ビジョンや企業理念を見ると、実に多くの会社が「お客様第一主義」「すべてはお客様のために」等と、お客様の目線で考えることを一番上に掲げています。
ところが、分かっているつもりでも、実際に行動に移すのは意外と難しい・・・。そんな話を、あるチョコレート会社を例にとって紹介したいと思います。
その会社は、これまでスーパーを中心に子ども向けの商品を展開してシェアを伸ばしてきました。一方、近年の主戦場であるコンビニでは思うようなヒット商品が生まれずに苦しんでいました。
では、どのようにコンビニ向けの商品開発をしているのか、ちょっと覗いてみましょう。
会社帰りのOLが買いたくなるようなチョコレートの新商品を開発せよ、と命じられた開発担当者。さっそく、コンビニのPOSデータ(レジで集めた顧客データ)を取り寄せる事にしました。すると、女性に人気の売れているチョコレートの傾向が見えてきました。
「『カカオ○%』を強調した商品が女性に売れているなぁ。よし、うちの会社は、さらに濃い『カカオ○%』で対抗しよう! それから、ポリフェノール入りとか、健康を意識した商品が多いな。うちの会社でも健康系チョコレートが開発できないだろうか?」
実際に、コンビニのチョコレート棚を見てみると、ライバルがひしめく激戦地です。そんな時、確かに左右の競合チョコレート会社の動向は気になります。ついつい競合他社に負けないようなスペックを、と思ってしまいがちかもしれません。
「新商品アイデアが、いつもボツになる」「商談でよく、商品のベネフィットがわかりにくい、と言われる」そんな悩みには実は、「発想のクセ」が隠されている。スペック依存発想、表層的なターゲットの切り分け、フレームワーク発想などの「発想のクセ=罠」から脱却し、相手の心を動かし、「買わせる」ための「筋トレ」本。博報堂・若手敏腕コンサルの「幻の講義」
⇒本を購入する AMAZONはこちら / 楽天ブックスはこちらあるいは、社内の営業担当から、「なぜよその会社はできて、うちではやらないんだ!」という声が飛んでくることもあるかもしれません。
しかし、人気商品の後追いは、大抵うまくいかないもの。 二番煎じの「カカオ○%チョコレート」や、「健康素材チョコレート」のような発想で、本当に大ヒットとなる斬新な商品は生まれるのでしょうか。
いつしか「お客様のために」という想いは消えてしまって、なんとか売り込みたい! というモードになっていることに気が付きます。
ではこの場合、どのようにしたらお客様視点の発想にたどり着けるのでしょうか。