『東北から起ちあがる100人』
2014年04月26日(土) 加藤小也香

突き抜けた6次化商品を作る、不死鳥鈴木魔人の挑戦【後編】---鈴木賢治(47PLANNING代表取締役・福島県いわき市)

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鈴木賢治氏。「突き抜けた6次化商品を開発し、日本の各地域の魅力を発信していきたい」

公認会計士の資格取得するつもりが、なぜか対戦型挌闘ゲームにハマり、3年かけて「鉄拳王」に。「26歳。無職。特技:鉄拳」を脱却しようと、鉄拳仲間も引き込みティッシュ配りなどの仕事に「命がけで」取り組んだ結果、今度は「新記録の男」と呼ばれるようになり、周囲の求めもあって会社を設立。

「27歳。社長」となった鈴木賢治氏は、ほどなく学生時代に抱いた自らの志の原点に立ち戻り、2009年、「47PLANNING」を立ち上げた。

「地域を元気にすることで、日本を元気にするような会社をつくる」。2011年、故郷・福島の食材を中心に据えた飲食店「47DINING福島」を、杉並区高井戸にいよいよオープンという矢先。東日本大震災が起こった。

幸い家族は無事だったが、父がいわき市で経営する製氷会社の工場や事務所は全壊。47DINING福島も、食材の提供を頼んでいた人々が被災したり、原発事故の影響からすぐの魚介類の水揚げの再開が難しかったり、といった事情から開店を延期せざるを得ない状況になってしまった(詳しくは前編を参照)。

4月6日、自社が保有するキッチンカーでいわき市に炊き出しに行った鈴木氏は、その帰り、小学校時代からの相棒で、建築やまちづくりのプロとして47PLANNINGに勤務する松本丈氏らと銭湯で、こんな話をした。

地元のおばちゃん達に「500食の炊き出しをすると、材料費だけでも10万円はかかる。『賢ちゃん、ありがとう』などと言ってもらえて、それなり満足感はあるが、自分らの企業体力だとそういつまでも続けられるものではない。復興の道のりは長いし、炊き出しは本質的な課題解決につながるものではない。被災地の経済的な自立につながる活動を考えなければダメだ」

地震の発生から1ヵ月足らず。瓦礫の中、まだ、捜索や最低限のライフライン復旧のための活動が行われ、避難所はあふれ、原発事故の拡大を懸念し、国内外に逃れる人も見られたこの時期に、「地域の経済的な自立のために尽力しよう」と考えた者は少なかったと思う。が、鈴木氏は動いた。

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