ドイツ
ドイツでは、オペラを観て、美味しいワインを飲み、チーズを食べているに限る---最近観た『サロメ』と『ジークフリート』について
ハンブルク国立歌劇場の年間プログラムより

演出がシンプルなハンブルクのオペラ

最近、続けて2本オペラを観た。先々週はハンブルクでリヒャルト・シュトラウスの『サロメ』、先週はシュトゥットガルトでワーグナーの『ジークフリート』。

ハンブルクはお金がないのか、それとも前衛的な趣味のためか、いつも演出が極めてシンプル。舞台はもちろん、衣装や道具も極端に抽象化してある。

去年ハンブルクでワーグナーの『パルジファル』を見たときも、舞台装置が3幕とも一貫して変わらず、衣装は男も女もただのネグリジェ、と言うか、黒か、茶色か、白の修道僧の袈裟のような感じだった。あれなら、学芸会ぐらいの予算でできそうだ。

そのうえ、ストーリーの要である聖杯や聖槍が、"そこにあると仮定して"の演出だったのにはビックリ。観客は見えない物をあるように想像させられるわけだ。

今回のサロメもやはりシンプルで、舞台は全面が段々畑のような階段だけ。歌手が登ったり降りたりするので、足を踏み外さないか、見ていてひやひやした。衣装はやはり袈裟風。そして、美女サロメはツルっ禿げのカツラを付けていた。ただ、歌や演技は皆、素晴らしく上手だ。

ツルっ禿げに関しては、架空の聖杯や聖槍と同じで、観客としては想像力に羽が生えたようになる。黒髪なのか、金髪なのか? ふわふわと腰まで流れる髪なのか、あるいはふんわりと編んであるのか等々・・・。これは演出家の勝利だろう。

〔PHOTO〕gettyimages
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