4月スタートの池井戸ドラマ『花咲舞が黙ってない』は『半沢直樹』を超えられるか!?
「花咲舞が黙ってない」HPより

出演陣より作者名が前面に押し出されるドラマがある。小説家なら松本清張さんや山崎豊子さんら、脚本家なら山田太一さんや倉本聰さんらの場合だ。その名前が確実に視聴者を引き寄せるからだろう。

そんなドラマ界のビッグネームに新たに加わったのが、直木賞作家・池井戸潤さん(50)。昨年は、池井戸さんが原作を書いた『半沢直樹』(TBS)が空前の大ヒットを記録し、同じく『七つの会議』(NHK)も好評を博した。この4月スタートのドラマでは、『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ)と『ルーズヴェルト・ゲーム』(TBS)の2つが池井戸作品。どちらのドラマもホームページや予告編で同氏の作品であることを鮮明に打ち出している。

ビジネスマンのルサンチマンを満たす内容

池井戸作品の登場人物は、半沢に限らず、人間くさく魅力的な人物ばかりだから、ドラマ化には打ってつけだろう。無論、ストーリーも起伏に富んでいて面白い。その特色の一つは、日本型企業の暗部や病理を活写するところにあるが、とりわけ銀行モノは池井戸氏自身が銀行出身だけに極めてリアルだ。

4月スタートの2作品のうち、1つはその銀行モノ。16日に始まった『花咲舞――』である。初回は「過払い」(店頭で客の請求より多く現金を払い出してしまう事故)がテーマになった。メガバンクの総資産はそれぞれ100兆円以上あるが、仮に1円でも過払いをやらかしたら、行内は蜂の巣を突いたような騒ぎになるという。責任のなすり合いになることも実際にあるそうだ。そんな過払いをめぐる悲喜こもごもが取り上げられたのだが、ドラマのテーマになったのは、おそらく初めてのことだろう。

あるメガバンクのトップは、「池井戸潤は許せない」と息巻いているそうだ。よほど痛いところを突かれているからに違いない。もしも池井戸作品で銀行が不当に貶められているのなら、正式に抗議すれば良いのだが、そんな話は聞いたことがない。

『花咲舞――』の初回は17.2%の高視聴率を獲得した。最終回で42.2%を記録した『半沢直樹』も初回は19.4%だったから、見劣りしない。池井戸作品は視聴者に完全に認知されたようだ。

異なる局がつくっているのだから、当然ながら演出も随分と違い、主人公のキャラクターもかなり異質なのだが、『花咲舞――』も『半沢直樹』と同様に、銀行や日本型企業を痛烈に批判する内容になっており、ビジネスマンのルサンチマンを満たす内容に仕上がっている。

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