津田大介【第3回】「既存の報道への不満に対して、自分の得意な領分でメディアを作り、ビジネスベースに乗せていく」
伝えることで世の中を動かす「ジャーナリスト」という仕事
津田大介氏と慎泰俊氏

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慎: 津田さんのメルマガのこれからの展開はどうなるのでしょうか。分量に関しては毎回圧巻ですが、これも始められて2年半が経ちます。そうすると、これまでのお話からするとこれも変わってゆく時期だということになるわけですが、今後の方向性は考えておられますか?

津田: これは変な話なんですが、自分でメディアを作ろうということで、ポリタスみたいなものを回すためにメルマガを始めたということがあるんですね。要するに、メディアをやるなら記者も必要だし、やっぱり一人だけではできないので、いろいろな人の協力が必要ですから、それにはやっぱり製作費がかかるということになります。

その費用も含めてお金がかかるわけですから、それを稼ぐための手段として有料メルマガを始めて、そこで稼いだものを無料メディアに注ぎ込むというモデルで始めたんですよね。そうしたらメルマガがそこそこうまくいってそれなりに読者が購読してくれて、それでスタッフを雇ってサイトを作ったんです。

軌道修正しながら、ジャーナリズムをマネタイズする

津田: それで「これだけはやりたい」と思うものができているかというと、まだまだ一割二割しかできていないような状況です。「何だか辛いな、なんで辛いんだろう」と思ってよく考えてみたら、ずっとメルマガで穴を掘って、そこで掘った穴を同じもので埋めているからだなぁと(笑)。

メディアで稼いだものをメディアに注ぎ込んでいたらそれはそうなるだろうという単純な足し算ができていなかったな、という感じはいま抱いていて、じゃあどうしようかな、と。たとえばcakes(ケイクス)みたいなモデルを示して資金調達をするというような、そういう方向性もあるんだろうけど、根本的に他人から自分のやることに口を出されるのが好きじゃないんですね。

自分のメディアを作るんだったら、自分たちで意志決定してやっていきたい。インディペンデントであるということは資金的にもインディペンデントであることが大事だと思って、そこに拘ってはいたんです。でも、先日田原さんと話しているなかで、「良い記事を作ったり面白いことをやるにはカネが必要なんだよ、カネなんか自分で広告主を見つけてくればいいんだよ」と言われまして。

津田: 「場合によってはこれをやってはいけないみたいなこともあったけど、それは闘って勝ち取ればいいんだ」と。だから、広告みたいなものを全部否定するんじゃなくて、広告収入を入れたうえで、自分たちのやりたいジャーナリズムを追求するという、田原さんはまさに実際にそういうやり方で闘ってきた人なわけですね。

そうすると、自分が広告を入れたくないというふうに拘っていたこと自体も、ちょっと考え方が凝り固まっていたんじゃないかな、と思いました。だから、きちんとマネタイズしたうえで、ジャーナリズムのやり方も、自分のなかで軌道修正していこうかなと思っています。

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