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傑作マンガ『ギャングース』制作者が明かす「知らないとカモられる犯罪手口」

〈この漫画は実話を基にしたフィクションです。ただし犯罪の手口はすべて実在しますので、ぜひ防犯に役立てて下さい〉

最新の犯罪手口について語る鈴木氏。昨年11月22日には、振り込め詐欺10年の興亡を追った『振り込め犯罪結社』(宝島社)を上梓した

毎回、こんなフレコミで始まるマンガ『ギャングース』(講談社『モーニング』で連載中)が大人気だ。職ナシ、学ナシ、犯罪歴アリのカズキ、サイケ、タケオの3人組が、振り込め詐欺集団や建築資材窃盗団、脱法ハーブ屋など半グレ犯罪集団の売り上げを次々と盗んでいく。その痛快なストーリーは、すべて実際の犯罪手口にもとづくもの。その原案を作っているのが、同作のストーリー共同制作者、鈴木大介氏だ。

鈴木氏は長年にわたり“犯罪をする側の論理”をテーマに、裏社会や触法少年少女らへの取材活動を続けてきたノンフィクションライターでもある。加害者の心理を知り尽くした同氏に、イマドキの犯罪集団にカモられないための対抗手段を聞いていこう。

鈴木氏は、「年々進化する犯罪の最たるものが振り込め詐欺だ」と言う。振り込め詐欺と、それに類似する金融商品紹介やギャンブル必勝法紹介を名目とした詐欺などの総称「特殊詐欺」の’13年1〜10月の被害総額は約383億2900万円。過去最悪だった昨年の被害額(約364億3600万円)をすでに上回っている。なぜこれだけその手口が知れ渡っているにもかかわらず、振り込め詐欺はなくならないのか。最大の要因は、振り込め詐欺組織が“捕まらないこと”に特化したシステムを構築しているからだという。

「関東連合は二流」

『モーニング』で連載中のギャングース。単行本は1〜4巻が定価各552円で好評発売中だAmazonはこちら

「“振り込め詐欺元年”と呼ばれる’03年は、巨大な収益をヤミ金業で上げていた山口組系二次団体の五菱会が崩壊した年。実は振り込め詐欺の組織は、この五菱会の失敗の反省から練り直されているんです。スポンサーである『金主』を確実に生かす、つまり絶対に摘発されない仕組みになっている。金主と『番頭』(各組織の店長格)、『プレイヤー』(詐欺の電話をかける役)、『出し子』(振り込まれたカネを引き出す役)は完全に分断されていて、番頭以外は金主の素性を知らない。

出し子が捕まっても『トバシ』(違法携帯電話)を処分し、事務所を畳めばそれより上に捜査の手が及ぶことはない。金主が捕まらなければ、ノウハウとタネ銭は残ります。ヤクザが振り込め詐欺をやらない理由はまさにここにあるんです。ヤクザは、『子が親を食わせ、親が子を食わす』という互助扶養組織です。下を切って本丸が残るのは、ヤクザの美学としてアウトなんです。

関東連合で振り込め詐欺をやっていた人間もいましたが、彼らは振り込め詐欺業界では二流と見られていた。ヤクザと同じく、関東連合も部下の後輩をドライに切り捨てることができないからです」(鈴木氏)

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