NABレポート:クラウド・モバイル配信の拡大は日の丸放送機器メーカーの危機?
多彩なメディア・パートナーの紹介を行ったアマゾン・ウェブ・サービスのブース(写真はすべて筆者撮影)

世界最大の放送・情報機器展示会「The NAB Show(米放送事業者協会年次総会、以下NAB)が、4月7日から10日までラスベガス市で開催された。

同展示会では、前回紹介した4K UHDとともに、クラウド技術を使ったタブレットや携帯向けIP配信が注目をあびた。今回は、モバイル配信に対応する米地上波テレビ局のクラウド対応と日本メーカーの動きを追ってみたい。

ニュース配信に見る視聴者のモバイル化

まず最初に、最近の米国におけるテレビ視聴者の動向を押さえておこう。

アメリカでは大型テレビの前に座る「茶の間」スタイルが減り、いつでもどこでも番組を見る「モバイル」スタイルが押し寄せている。

4大テレビ局は、こうした傾向に対応している。大手テレビ局のNBC、FOX、ABCが株主となって設立したフールー(Hulu.com)は、見逃し番組を中心に広く人気を集めている。また、米国最大のスポーツ・チャンネルESPNや大手メディア・コングロマリットのタイム・ワーナーなども独自のウェブ放送を展開している。

一方、こうしたモバイル視聴に乗り遅れているのが、NABの主要メンバーである米ローカル・テレビ局だ。特に、地方局の人気コンテンツである地域に密着した「ローカル・ニュース」はモバイルに強い影響を受けている。

基調パネルディスカッションでモバイルIPを強調するハイム・サバン会長(右、Univision Communications)とゴードン・スミスCEO(左、NAB)

メディア視聴の調査を得意とするPew Researchによれば、米国成人の64%はフェイスブックを利用しており、同30%はフェイスブックでニュースを見つけている。もちろん、ニュース目的のアクセスは22%だが、8割は利用中に自然にニュースを見つけ出している。

成人の16%にしか普及していないツイッターでさえ、その半分の利用者はニュース収集に活用している。つまり、ニュースへの入り口をソーシャルが握り始めている。

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