『発展コラム式 中学理科の教科書 改訂版 生物・地学・宇宙編』
石渡正志/滝川洋二 編

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はじめに

 電車に一駅乗る間に、あるいは学校の休み時間に、一つの項目を読み切ることができる「コラム型の教科書」として編集された本書は、次の2つの性格を合わせもっています。

 ◎ 社会人にとっては、中学理科の基本的な内容、プラス「世界標準」の理科がまとめられている「学び直しの教科書」

 ◎ 中学生にとっては、理科の発展的な読み物を集大成した、教科書の「副読本」

 本書は、2008年に出版されてその後12刷まで増刷された本の改訂版です。中学校で使われている検定教科書は、以前「第1分野」「第2分野」の2分冊になっていましたが、現在では学年別の3分冊構成になっています。本書初版の書名の一部「第2分野 生物・地球・宇宙」は、改訂版では単に「生物・地球・宇宙」としました。改訂のくわしい趣旨は後でふれることにして、本書の変わらない性格について先に述べましょう。

中学理科の内容をベースにした「発展コラム」

 高校理科の理解を基準にした読み物では、社会人にとっても難しすぎることが多いものです。でも、中学理科をベースにして、そこから発展させた科学のさまざまな興味深い話題を「プラスアルファ」として解説していくと、中高生にはもちろんのこと、社会人にとっても読みやすいものになります。本書ではこの「プラスアルファ」の部分を100あまりの「発展コラム」にしました。「発展コラム」では、従来の検定教科書に足りないと思われる内容はもちろん、検定教科書を読んだときに多くの学習者の心に残る素朴な疑問や興味なども積極的に取り上げました。

 また、何のために理科を学ぶかがわかるように、現実の世界と理科の内容がどうリンクしているかも実感できるよう力を入れました。教科書の基礎的な内容を理解するだけではなく、その内容がどう社会で活用され、あるいはその後の学習で使われるかを紹介したこの本の「発展コラム式」は、これからの時代に必要な学習形態を提起しています。国際的な学力調査(PISA)では、知識だけでなく活用力を求めた問題が出題されていますが、本書の性格はそれにも沿っています。

 さらに、イギリスの教科書を参考に、英語では理科の内容がどう表現されているのかを各章で紹介しました。単に表現の違いだけでなく、市民に不可欠な科学の教養を伝えようとするイギリスの理科教育の視点もつかんでいただければと思います。

中学理科の知識をさらりと、しかもわかりやすく復習

 社会人のみなさんは、中学理科の内容も忘れているのが普通でしょう。そこで本書では、「検定教科書のエッセンス」を短時間で復習できるようにしています。また、今の教科書でどこが不足しているか、「検定教科書をCHECK!」というコーナーで紹介しているので、ここを見るとこれからの理科は何を改めていくべきかを考えるきっかけとなります。

「世界標準」を踏襲し、東日本大震災の教訓に対応した改訂版

 本書の初版は2008年3月出版に向けて編集されましたが、当時の日本の理科教育は、授業時間数でも扱う内容の豊富さでも、世界の最低グループでした。これでは現代の科学や先端の技術を十分には理解できません。同年に学習指導要領が改訂され、中学は2012年度に全面実施になりました。この改訂で、中学理科の授業時間数が増え、1998年学習指導要領で大幅に削られていた進化や遺伝、力の合成・分解やイオンといった多くの内容が復活しました。もともと「世界標準」を目指した本書には、それらの内容がすべて初版から入っていたことは私たちの自負するところです。

 しかしそれとは別に、理科のあり方を見直さなければならない出来事が起こりました。2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震による東日本大震災です。地震と津波によって多くの人命と生活基盤が失われ、その復興はまだ成し遂げられていません。地震にともなって発生した福島第一原子力発電所での世界最悪レベルの原子力事故は大惨事となり、収束の見通しも立たない状況が続いています。

 もともと本書の初版には、地震や津波の内容がかなり取り上げられており、姉妹本である「1分野」には放射線や原子力の内容も取り上げられていました。しかし、これからの市民にますます必要な知識として、改訂版ではそれらを増強しました。

 また、各ページ欄外には、理解を確認したり、関心のあるトピックを探したりするきっかけになる「ランダムクイズ」も追加し、本全体として3割程度の改訂になっています。

 今ちょうど中学で理科を学んでいてさらに役立つ知識を求める人、高校や大学に進んだがもう一度理科の基礎をかためたい人、社会に出たあと必要な理科の知識を学び直したい人に、最適の本書を、大いに勧めたいと思います。


目次
1章 植物が生きるためのしくみ
2章 植物のなかま分け・進化
3章 地震のしくみ
4章 火山のしくみ
5章 地層と大地の歴史
6章 細胞/動物の感覚と運動
7章 動物が生きるためのしくみ
8章 動物のなかま分け・進化
9章 水蒸気と雲
10章 天気の変化
11章 生物の成長とふえ方
12章 生物の遺伝のしくみ
13章 地球の運動と天体の動き
14章 太陽系と宇宙
15章 自然と人間
 

編者  石渡正志(いしわた・まさし) 
一九六一年生まれ。東邦大学理学部卒業後、公立中学校教諭、私立中・高・大学非常勤講師を経て現在、甲南女子大学人間科学部教授。鳴門教育大学大学院修士課程修了。専門は理科教育。著書に『新しい科学の教科書(生物編)』(編著・文一総合出版)、『役立つ理科こばなし(2)地球・宇宙・生物の探検』(編著・星の環会)他多数。

編者  滝川洋二(たきかわ・ようじ) 
一九四九年生まれ。東海大学特任教授。教育学博士。NPO法人理科カリキュラムを考える会理事長、NPO法人ガリレオ工房理事長。TVドラマ「ガリレオ」他の実験監修、「世界一受けたい授業」他のTV出演。著書に『大人のためのやり直し講座 物理』(監修・ 創元社)、『これならわかる!科学の基礎のキソ 現象』(監修・丸善)他多数。専門は、概念形成研究、科学カリキュラム研究、物理教育。
『発展コラム式 中学理科の教科書
 改訂版 生物・地学・宇宙編』



石渡正志/滝川洋二 編

発行年月日:2014/4/20
ページ数:448
シリーズ通巻番号:B1861

定価:本体 1240円(税別)
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(前書きおよび著者情報は初版刊行時点のものです)