ドイツ
昔を振り返らなければ大丈夫? 少子高齢化の波に逆行するドイツの由々しき年金制度改革
〔PHOTO〕gettyimages

老人がどんどん増えていく

特別養護老人ホーム(以下特養)の入所待機者が52万人もいるというニュースにはビックリした。都道府県によっては、複数ヵ所のホームに申し込んでいる人を延べで計算しているので、数字が吊り上ってしまったという事情もあるそうだが、仮に52万の半分だったとしても膨大な人数だ。

ただ、ビックリした一方、当然かなと思う気持ちもある。平均寿命が伸び、老人がどんどん増えていくのは、統計に教えてもらわなくても、実感としてわかる。

老人が増えて、子供が生まれない。これが、現代の先進国が抱えている共通の問題だ。本当なら、すべてを、この人口比に合うように根本から変えていかなければいけないのに、改革は遅々として進まない。皆が目の前の利益に気を取られ、深く考えることを止め、すべての負担を将来の働き手に押し付けている。

可哀そうな将来の働き手が年を取ったころには、膨大な数の老人ホームがあっても、そこに入るお金がなく、たとえ入っても、介護をしてくれる人がいなくなっているに違いない。彼らの祖父母や親は、まあまあの年金とまあまあの福祉を享受し、それでも文句を言いつつ余生を全うして、「後はよろしく」とすでにお墓の中だ。

残されたのは、大量の国の借金と老人ホームの遺跡? それを見越しているのか、今の若い人たちは、年金も後期高齢者医療も、たいして当てにしていないという。しっかりした人ほど、早くから自助の対策を練っている。

労働大臣のアンドレア・ナーレス女史 〔PHOTO〕gettyimages
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