日本でも始まったMOOC、うまくいけば相対性理論も理解できる!?
「gakko」のトップページより

新年度が始まり、学びの春が到来した。学生のみならず、社会人の皆さんも新たな知識や技能を習得するため、学びのチャンスを求めているのではあるまいか。そんな人たちに向けて、今月、日本でも本格的なMOOC(Massive Open Online Course:大規模オンライン教育)の第一号となる「gakko」がスタートした。

私(筆者)は以前からMOOCを利用してきたので、今回はその体験談を披露したい。それをもって、日本版MOOCへの参考材料として頂ければ幸いだ。

私がMOOCを使い出したのは2012年頃だ。当時、主なものは米国のUdacityとCourseraで、そこから幾つか試しに受講してみたのだが、良いものもあれば悪いものもあった。中でも印象深かったのは、スタンフォード大学のLarry Randles Lagerstrom物理学教授が担当している、「特殊相対性理論」の講義だ。

特殊相対論の要点とは

世間には、「特殊相対性理論は簡単だ」と言う人がよくいるが、それは大きな間違いだ。

特殊相対論のポイントは、私たちの常識では全く別々の存在と思われる「時間」と「空間」が実は不可分の概念であり、厳密には「時空(time-space)」という統合概念として扱われるべきことにある。これは子供の頃から「時間とは何か、空間とは何か」を徹底的に考え続けたアイシュタインだからこそ到達できた思想であり、一般人には、そう簡単に理解できることではない。

確かに特殊相対論に使われている数学は非常に簡単だ。高校生、あるいは中学生レベルの数学かもしれない。が、だからと言って、この理論自体が簡単だということにはならない。むしろ、そのように初歩的な数学で、これほど高度な思想を表現し得たことが驚きだ。見方を変えれば、高等数学の技法を封印された分だけ、むしろ相対論を理解するのは難しい。最近、流行りの言葉で言えば、いわゆる「地頭」で考えないといけないからだ。

一方で、「『光速度不変の原理』さえ受け入れれば、特殊相対論を理解するのは、それほど難しいことではない」とも、よく言われる。これはある程度、的を射ている。というのも、その大前提を直観的に理解できれば、あとは初歩的な数学の積み重ねによって、一歩一歩、理解を深めていくことはできるからだ。

が、そもそも、その原理、つまり最初の一歩が、そう簡単に受け入れられる内容ではない。「光速度不変の原理」とは、静止体から発せられた光でも、移動体から発せられた光でも、(真空中なら)同じ速度になるということ。これも私たちの一般常識に大きく反している。

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