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〔PHOTO〕gettyimages by Thinkstock

おととい、娘(7歳)のクラスメートのIちゃんが家に遊びにきた。私はいなかったが、妻の話では、庭でしばらく遊んだ後、近くの小さな公園に行ったそうだ。

その公園には満開の桜の木が2本あって、薄桃色の花びらがひらひら宙に舞っていた。
Iちゃんと娘はそれを手でキャッチしようと夢中で追い駆けた。でも、なかなかつかめない。

ふたりは一計を案じ、自転車で桜の下をぐるぐる走った。車輪を回せば風が巻き起こって花びらがもっと散ると考えたからである。

でも、風は吹かない。それがわかったので、今度は着ているパーカーを脱ぎ、頭上の桜の枝に向けてパタパタ扇いだ。が、風はそよともしない。とうとうふたりは大声でワーッと叫びだした。どうやら声が風になって桜の枝を揺らしてくれると考えたらしい。

「もう、大騒ぎ。子供って次から次へといろんなことを思いつくのよね。ああ、楽しかった」

夕方、帰宅するなり、妻は晴れやかな笑顔で言った。その顔を見て私も幸せな気分になった。心配事はたくさんあるが、とりあえずいま、わが家は平和である。

と思いつつ夕刊を開くと「武器輸出新三原則を閣議決定」という見出しが目に入った。政府が原則禁止していた武器輸出を事実上解禁するという。

東京新聞は「日本の武器を世界に売り込む考えだが、憲法九条の『戦争の放棄』の理念は崩れ、戦後積み上げてきた平和主義の信頼感に基づく外交力を失うことになりかねない」と批判していた。

そう。平和主義の崩壊と言っていい。でも、輸出解禁の狙いは単に国産武器を外国に売りつけることだけだろうか。引っかかりを感じたので元航空幕僚長の田母神俊雄さんの本を取り出した。

安倍首相の真意を知るにはタモちゃん本を読むのが一番だ。ふたりの考え方は、歴史認識から核武装に至るまで双子のように似ている。しかも田母神さんは首相の本音を明け透けに語ってくれる。

まず昨夏発売の『安倍晋三論』(ワニブックス刊)である。田母神さんによれば、自衛隊は防御に偏り、攻撃力が極端に低い。なぜなら自衛隊は専守防衛で、日本が攻撃されたら米国に反撃してもらうことになっているからだ。

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