弱含みユーロの今後のカギは「金融緩和」狙うECB総裁とドイツの関係
欧州中央銀行のマリオ・ドラギ総裁                                           photo   Bloomberg via Getty Images

4月中旬、ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁は記者会見で、「ユーロがさらに強含む場合には、追加金融緩和策の実施が必要になる」との認識を示した。それに伴いユーロは、ドルや円などの主要通貨に対して弱含みの展開になっている。

残るリーマンショックのあと始末

ドラギ総裁発言の背景には、ドイツを除く主要欧州国の経済が低迷していることに加えて、ユーロ高でインフレ率が低位になっていることがある。景気の低迷と低インフレは、経済活動にとって好ましい状況ではない。

総裁としては、ECBが追加金融策を実施する可能性を示唆することで、ユーロ高に歯止めをかける狙いがある。今回の発言で、取り敢えずユーロはやや弱含みの展開になっているものの、今後の展開には不透明な部分もある。

ユーロ圏のドイツを除く主要諸国の経済状況を見ると、リーマンショックのあと始末が完了していないことは明らかだ。大手金融機関の不良債権比率はだいぶ低下したものの、財務内容は完全に回復したとは言い難い。

それに伴い多くの分野で経済活動の低迷が続いており、ユーロ圏全体の失業率も二ケタ台と高止まりしている。需要が盛り上がりにくいこともあり、物価水準は低位安定のままだ。このままでは、デフレ状況に落ちこむとの声もあるほどだ。

つい最近までわが国は、経済の低迷・物価の下落に苦しめられてきた。現在のユーロ圏は、そうした“日本病”への入口に差し掛かっているといっても過言ではないだろう。問題は、それを如何に防ぐことができるかだ。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら