岩瀬大輔「人間関係はギブ&テイクからギブ×10へ」
最新刊『仕事でいちばん大切な 人を好きになる力』より

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感動はシェアしたほうが大きくなる

世の中には「友達」なんかたくさんいらない、という人もいます。たとえ数人でもいいから「親友」と呼べる人間がいれば、それで十分だという考えです。

ゆるくつながった多くの友達よりも、しっかりと結びついた少数の親友のほうが大切なのだという話は、よくわかります。そして、友達は「数」じゃなく「質」で考えるべきだ、という意見もそのとおりだと思います。

実際、僕もそう考えていました。海外留学時代、クラスメイトたちが毎晩のようにパーティーを開いてネットワークづくりに勤しむ中、僕は自宅に1人か2人、本当に仲良くなりたいと思う友人だけを招いて食事をするのが好きでした。ただし、どんなときでも「誰かと一緒にいたい」という気持ちを持ち続けていたのは間違いありません。

3人姉弟の姉と弟に挟まれて育った僕は、子ども時代から「ひとりになる時間」がほとんどありませんでした。ご飯を食べるときも、外で遊ぶときも、夜になって眠るときも、そこにはいつも姉や弟の姿があり、友達の姿がありました。

その影響もあるのでしょう、いまでも僕はひとりになるのが得意ではありません。

映画や舞台、スポーツ観戦などはもちろん、ちょっとした食事でさえ、誰かと一緒に行きたいと思ってしまいます。ひとりでしみじみとおいしい料理を食べたり、ひとりで映画を観に行ったりすることに対して、いまひとつ魅力を感じません。

なぜなら、ひとりでいたら誰とも感動を共有できないからです。

どんな種類の感動であっても、それをシェアできる人間が側にいてくれたほうが、喜びは増します。

たとえば、ひとりで食べる立ち食いそば。これは食事というより、空腹を満たすための作業に近いものを感じます。でも、ここで一緒に「おいしいね」「ほんと、おいしいよね」と言い合える誰かがいるだけで、立ち食いそばの数分間も立派な食事に変貌するのではないでしょうか。唐辛子を入れすぎたとか、コロッケをのせると意外とおいしいとか、わいわい会話を弾ませながら、ささっと食べ終わる。その満足度は、とてもひとりで得られるものではありません。

仕事でいちばん大切な 人を好きになる力
著者= 岩瀬大輔
講談社 / 定価1,404円(税込み)

◎内容紹介◎

2011年に発売され、現在17万部を超えるロングセラーになっている『入社1年目の教科書』の筆者が、テーマを人生全般に拡げた「人生を豊かにする教科書」を書き下ろし。ビジネスにおいて、何より大事なのは「人に恵まれる才能」。それは各個人の「人を好きになる力」を磨くことの賜物である。良好な対人関係とは、いつも自分発の「好き」から始まる。本書では、筆者が人と接するときに心掛けている大原則から、自分に課している具体的な対人関係のルールまでをわかりやすく紹介していきます。

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