「個性的=かっこいい」という観念が破壊され、時代は今"ふつう"を欲している

2014年04月10日(木) 坂井 直樹
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2008年グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞した「マジックインキ」

例えば、アイスクリームを食べようと思って引き出しをあけたとする。そこに様々なスプーンが並んでいるとき、私たちは最も慣れ親しんできた「ふつうのスプーン」を選ぶだろう。そのような自分にとっての「ふつう」こそが最良のものなのであるという考え方だ。

人とモノとの最良の関係を考え抜き、そのうえでモノをつくることが「究極の普通」のデザインなのであり、それは流行に流されず常に必要とされるロングライフデザインとなる。

"個性的からふつうへ"その根幹にあるもの

これらの動きの背景には、過剰な消費活動による環境へのダメージや社会のアンバランスさなどがあるだろう。今は、このような不自然な社会から自然な社会への転換が行われている過程なのかもしれない。

大量生産・大量消費の時代、社会はデザインの力で消費を煽っていたともいえるが、その歪みとして環境が悲鳴をあげ、社会はいま、必要なものを必要なだけ適切な形で生み出すことを求めている。力んだ身体が息を吐きながら元の形に戻っていくように、時代はいま「ふつう」を欲しているのだろう。

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