「個性的=かっこいい」という観念が破壊され、時代は今"ふつう"を欲している
坂井 直樹

ニューヨークで広がる"ノームコア"というトレンド

米誌『ニューヨーク・マガジン』が2月、次なる社会のトレンドは「ノームコア」だと公表した。「ノームコア」とは「ノーマル」と「ハードコア」を組み合わせた造語で「究極の普通」という意味である。これは元々K-HOLEというトレンド予測集団が予測したワードで、同誌「The Cut」にて発表された。

「ノームコア」とは何か? 記事の著者フィオナ・ダッカさんは、ニューヨークで流行しているファッションにこれを見いだす。近年のニューヨークでは、ダウンタウンの女の子たちが「ショッピングモールで買ったような服」を着ているというのだが、これこそ「究極の普通」のファッションだという。

そのアイコンとなる典型例はApple創業者のスティーブ・ジョブズだ。彼は常に黒のハイネックセーターとリーバイスのジーンズ、そしてニューバランスのグレースニーカーを履いていた。確かにどこにでもいそうな極めて普通のスタイルだ。製品の美を徹底的に追求したジョブズが「ふつう」を選んだことは興味深い事実だろう。

K-HOLEは、ノームコアというトレンドはファッションのみならずこれからの「姿勢」を表すと予測する。それは、これまでの人々が「人と違う」ことがクールであると思ってきたことに対し、これからの時代のクール(かっこよさ)は、あえて「同一性」を選ぶことにある、という見解である。

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