「講座:ビジネスに役立つ世界経済」 
【第41回】 ラジャン総裁のインフレ目標政策とインドの株価上昇

〔PHOTO〕gettyimages

政治的腐敗や治安悪化が話題となるインド

今年は、株式投資にとっては、なかなか悩ましい年である。世界の多くの株式市場で株価の低迷が続いている。

世界の主要株式市場を集計した世界株価指数は年初からほぼ横ばいだ(4月8日時点で0.1%の下落)、うち、先進国は1.7%のプラス、かつては米国に代わる経済圏への発展が期待されたBRICsは2.3%の下落である。比較的好調であるとされた米国もS&P500で見ると、年初からほぼ横ばい(4月8日時点までの収益率は+0.2%)。

今年の主要なグローバル株式市場での「Winner(勝ち組)」は、第1位 ベトナム(年初からの上昇率は+23%)、第2位アルゼンチン(同+20.3%)、第3位インドネシア(同+15.1%)、第4位イタリア(同+14.2%)、第5位ポルトガル(同+13.8%)となっている(Worldstock.comによる)。

これらの国の多くは、昨年、経済危機などで株価が大幅に低下した国、または、高成長期待の剥落によって株価が大幅調整を余儀なくされた国である、すなわち、株式投資で言えば、現状は、将来の成長余地などの要因ではなく、単なる「リターンリバーサル(逆ばり投資)戦略」が有効な局面という状況であろう(ちなみに政変で揺れたエジプトは+13.6%である)。

そういう状況の中で、インドの株価も年初から+5.7%と健闘している。インドと言えば、BRICsの一角として、かつては、高成長を期待される代表的な新興国であった。だが、リーマンショック後、政治腐敗(縁故資本主義的体質が海外投資家に嫌気された)やインフラ整備の遅れなどが顕在化し、高成長の期待が剥落しつつある国となった。

筆者が海外情報を入手する際に重宝しているニューヨークタイムズでも、ここ数年のインドの話題といえば、政治的腐敗(汚職や賄賂、または、その適用基準があまりに恣意的な諸規制)や治安の悪化であった。

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