磯山友幸「経済ニュースの裏側」

御手洗キヤノンもついに「陥落」、初導入する社外取締役二人の微妙な経歴

2014年04月09日(水) 磯山 友幸
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二人の社外取締役を初導入するキヤノンだが、その経歴には疑問が残る       photo gettyimages

キヤノンが3月28日に株主総会を開いた。都内の本社で行われ、過去最多の2663人の株主が出席したという。総会では、元大阪高検検事長で弁護士の齊田國太郎氏と元国税庁長官で証券保管振替機構社長の加藤治彦氏を、同社初の社外取締役に選んだ。

追い詰められた御手洗冨士夫氏

キヤノンは社外取締役の導入に反対してきた最右翼の会社とみられてきた。会長兼社長の御手洗冨士夫氏も社外取締役不要論を語ってきた。経団連が社外取締役の義務付けに強く抵抗しているのも、会長を務めた御手洗氏への配慮があると見られてきた。

そのキヤノンが陥落したのである。

同社が社外取締役を置いて来なかったことに関して株主の関心も高かった。昨年の株主総会でもなぜ置かないのかという質問が出ていた。御手洗氏はさすがに「不要」とは切り捨てず、探しているが「十分な時間を割いていただける有能な人物が見つからない」という答えだったという。

そのキヤノンが社外から取締役を入れると発表して臨んだ総会だけに関心を呼んだのだろう。過去最多の出席者が集まった一因と考えられる。

1月末に社外取締役の導入方針を決めた際には「制度に反対しているわけではなく当社に必要が無かっただけ。適切な人材が見つかったのでお願いした」というキヤノンのコメントが日本経済新聞に載っていた。

さすがに株主総会で「見つかったから」と答えるのはマズイと思ったのだろう。日経によれば御手洗氏は「M&A(合併・買収)が増え法務面で対応の必要性が高まっている」と理由を説明したそうだ。

だが現実は、さすがのキヤノンも追い詰められたから、というのが本音に違いない。

トヨタの社外取締役導入で孤立したキヤノン

恐らく最も効いたのが取締役選任議案の投票結果だろう。キヤノンが関東財務局に提出した臨時報告書によると、昨年の株主総会で取締役選任議案で、御手洗氏に対する賛成票が極端に少なかったのだ。

田中稔三副社長ほかすべての取締役候補が92%前後の賛成票を得たのに対して、御手洗氏への賛成票は72.21%にとどまっていたのだ。外国の機関投資家などが社外取締役を導入しない御手洗氏に「ノー」を突きつけたのである。

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