町田徹「ニュースの深層」
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「NTT縛り」に躍起のソフトバンクとKDDIは「家計の敵」のスマホ料金をまず下げよ!

2014年04月08日(火) 町田 徹
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スマートフォンの料金は世界最高水準              photo Bloomberg via Getty Images

ソフトバンク、KDDIなど65社は先週(4月2日)、連名で、電気通信分野の競争政策見直しに着手した総務省に対し、NTTだけを縛る「非対称規制」の存続を迫る意見書を提出した。

信じがたい「NTT縛りの意見書」

NTTの市場支配力が依然として大きく他社が対等に競争できる環境にないというのが、その根拠だ。新聞報道によると、ソフトバンクモバイルの徳永順二常務執行役員らは記者会見し、「消費者の利便性を損なう」と口々に訴えた。

しかし、1985年の通信自由化以来ほぼ30年が経過しようとしているにもかかわらず、公正な競争環境が未だに整ってないというのは、俄かには信じがたい。

長年、この分野を取材してきた筆者の眼には、世界的に見て高止まりしているスマートフォンの通話料金の引き下げを促す政策や、検索、SNSなど上位レイヤーの米系企業が進めている個人情報のなし崩し的な流用に歯止めをかける政策の導入こそ、通信市場で求められている課題に映ってならない。

ソフトバンク、KDDIなど65社が提出した意見書は、提出会社の社名の表記にA4用紙で実に6枚を費やす一方で、肝心の意見の内容は1ページにも満たない、実にユニークな体裁だ。

65社は、意見書でまず、新藤義孝総務大臣が2月3日に、「2020年代に向けた情報通信政策の在り方」を諮問した情報通信審議会が、NTTにだけ課している規制を緩和するのではないか、そうした方針が既定路線になっているのではないかと質している。

このところ、日本経済新聞など日刊紙が、通信市場の競争を促す制度改正として、NTTに対する「携帯電話と自宅で使う固定通信のセット割引の解禁」などが有力視されていると報じたことが、懸念の根拠という。

そのうえで、意見書は、「固定通信や移動体通信をはじめとした複数の市場におけるNTTグループの市場支配力は依然として大きく」、「仮に報道のとおり当該規制が緩和された場合、持株会社主導により、NTTグループの実質的な再統合・独占回帰が図られることになることから、公正競争の確保が極めて困難になる」と窮状を訴えている。

これまでと同じように、65社は自由にできる業務・サービスについて、NTTだけは例外として、手足を縛り続けるように迫っているのだ。

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