【国土交通 その7】 東日本大震災の教訓を活かし、災害に強い国へ!
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東日本大震災から3年が経過した。あの大震災で我々日本人は、死者1万5883人、行方不明者2676人という大きな犠牲を強いられた。被害に遭われた方々やご家族の方々に改めて心からの哀悼の意を捧げます。

僕自身、KIBOWの活動を通じて、茨城県から福島県、宮城県、岩手県、そして青森県に至るまでほぼ全ての被災地を訪問した。震災からの復興にこれからも変わらず微力ながらも力を入れていくことを、この場を借りて宣言したい。

日本列島は、歴史的に多くの災害に見舞われてきた。世界で発生するマグニチュード6以上の地震の約2割が日本周辺で発生しているほか、分かっているだけでも約2000の活断層が存在し、さらに世界の活火山の約7%にあたる110の活火山が分布しているのだ。

古来、大河の氾濫などの自然災害から社会を守ることは、国家の極めて基本的な役割であった。現代社会においても、災害から国民・社会を守ることは、他国の侵略から国民を守ることと同じくらい重要な政策だといえるだろう。

東北沖を震源とする東日本大震災から3年しか経過していないが、日本列島は近い将来、南海トラフを震源とする大地震に見舞われる可能性が大きいと言われている。

日本列島の南に横たわる南海トラフでは、100年から150年程度の周期でマグニチュード8クラスの海溝型地震が発生しており、東海、東南海、南海地震の三つの震源域で過去地震が発生している。

近年では、安政元年(1854年)に安政東海地震と安政南海地震が、昭和19年(1944年)に昭和東南海地震が、昭和21年(1946年)に昭和南海地震が発生している。周期で考えれば、東海地震の領域は発生から159年が経っており、今世紀前半にもこの地域での地震の発生が懸念されているのだ。

加えて、関東大震災のような首都直下型地震、富士山噴火といった火山噴火も、100年単位で見れば、発生する可能性があると考えた方が自然であろう。こういった近い未来に予想される大災害への対策に加え、近年気候変動の影響で多く見られる「これまでに経験したことのない」規模の豪雪や豪雨などへの対応も含め、自然災害から街や住民を守る取り組みが必要だ。

東日本大震災の辛い経験から最大限の教訓を得て、近い将来起こりうる大災害に備える必要がある。

1. 災害時には政府・自治体の役割を限定させ、自衛隊・民間・NPOが機動的に動ける仕組みを作れ!

東日本大震災は、自然災害に上限はなく、災害の発生を防ぎきることは不可能であること、つまり、「想定外」の災害が起こること、したがって、被害の最小化を図る「減災」の考え方が重要であることを教訓として残した。

復旧・復興活動において自衛隊が果たした役割は大きかった。機動的な自衛隊の行動と、民間企業・NPOが現地に入って果たした役割は極めて大きかったと言えよう。一方、政府や自治体を通した行動は極めて遅かったし、非効率だった。

震災後、KIBOWの活動で早い時期に被災地に入ったが、被災地では食べ物等が不足しているにも関わらず、急ごしらえの補給センターに行ってみると救援物資が積み上がったままで、現地に届いていなかった光景を見て、憤りを感じたことを今でも鮮明に覚えている。

政府や自治体は、基本的に行動が遅く、非効率なのだ。その認識に基づき、近い将来起こりうる大災害に向けては、政府や自治体は自らが行動を起こすよりも、情報収集したものを積極的に情報公開することにより、自衛隊や民間、NPO等をうまく活用する発想が必要となろう。自衛隊・民間・NPO等の役割を明確化し、ボランタリーなネットワークを最大限活用できる体制を、今から準備しておくことが重要だ。

加えて、災害発生時の政府・自治体の危機管理体制を改めて整理し、迅速な対応が可能な体制を整備しておくことが必要だ。

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