田原総一朗×植木義晴(JAL代表取締役社長)【第3回】「会社と社員の間に相思相愛の関係ができていなかったから、JALは潰れたんです」
[左]植木義晴さん(JAL代表取締役社長)、[右]田原総一朗さん(ジャーナリスト)

【第2回】はこちらをご覧ください。

この3年間、恥ずかしいことは何もしてきていない

田原: 社内を透明化するのは相当難しいですよね。

植木: はい、やっぱり根性が要りますね。良いことは誰だって透明にしたいけれども、悪いことも透明にしないと意味がありません。ですから、2013年に株主総会を開いたんですが、経営破綻をしたのが2010年ですから、3年ぶりということになります。

私が議長をやって、武道館でやったんです。私は株主総会なんて見たことも聞いたこともない人間ですから、「大丈夫だろうな?」と登壇する役員に聞いたんですが、「何を言っているんですか、植木さんだけじゃなくて現役員のほとんどが、株主総会の壇上に上がったことなんかないですよ」と(笑)。

ただ、僕が一つだけ自信があったのは、何も隠していないということです。すべて株主の方にもオープンにしていて、恥ずかしいことは何もしていないという自信だけはありました。他の企業でも同じかと思いますが、予め質疑応答の練習をします。種明かしをすると、質問が来ると前の画面にその回答案が出てくるような仕組みがあります。

しかし、何だかものすごく木で鼻をくくったような回答というんですか、やっぱり文章をそのまま棒読みするような形になってしまうのです。だから、役員みんなに言ったのは、「自分の言葉で喋ってくれ」ということでした。

「当日一応画面に資料を映すけれども、画面は絶対に見るな、その代わり想定通りの言葉で答える必要なんかさらさらない。自分の言葉で答えてくれたらいい。何かあったら必ず俺が助け船を出すから堂々とやってくれ」と。そうしたらみんなやってくれたんです。僕も初めてなので以前と比較はできないんですが、すごく良い株主総会なったのではないかと思います。

田原: 答えに困るような質問はあんまり出なかったんですか?

植木: いや、ありました。でも堂々と本音で答えました。そうしたら、不思議と皆さんが拍手してくださった場面もありました。何も隠していませんし、この3年間、恥ずかしいことは何もしてきていないという自信が伝わったのではないかと思います。

田原: 「国の援助を相当得て良くなったんじゃないのか?」という質問はなかったんですか?

植木: その質問はなかったです。株主総会ではそういう質問はなかったのですが、世間ではそう言われていることは確かかもしれません。

田原: 今JALは海外と国内の比率はどのくらいですか?

植木: 売上規模でいえば、国内線が4割、国際線が4割、その他が2割ぐらいになります。

田原: その他というのはどういうことですか?

植木: たとえば日本でも、外国の航空会社の航空機が飛んでいます。その整備や、空港の地上業務を受託する言わば業務受託の収入や旅行業などです。

田原: 国内路線の割り当てでこの間もちょっと問題が起きましたが、JALとANAとの間でJALが損をしているということはないんですか?

植木: 損をしているということはありませんが、現状でいえば、うちのほうがその比率が低いことはたしかですね。

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