川口マーン惠美「シュトゥットガルト通信」

中世の魔女裁判を思い起こさせるエダーティー事件の"モラル攻撃"

2014年04月04日(金) 川口マーン惠美
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セバスチャン・エダーティー氏 〔PHOTO〕gettyimages

「スキャンダル週刊誌の話題のようで、ちょっと躊躇するところもあるのですが」と前置きをしつつ、ちょうど起こったばかりだったエダーティー事件に触れたのは、2月末、東京の日独協会で行われた講演のときだった。

日独協会では、帰国の度に"ドイツの選択"と銘打って話をさせてもらうのが恒例になっている。テーマは特定のものに絞ることもあれば、ドイツのそのときどきの政治の展開、社会問題、あるいは、世相を表す出来事などを選ぶこともある。

この日は、ようやく始動し始めたドイツの大連立政権(第3期メルケル政権)について話し、その最後にエダーティー事件を盛り込んだのだった。

違法行為があったかどうかはまだわからない

セバスチャン・エダーティーは2月までSPD(ドイツ社民党)所属の国会議員で、それも、40歳の前途洋々の政治家だった。エダーティーという変わった苗字は、父親がインド人だからで、よって風貌も少し浅黒く、エキゾチックだ。

エダーティー事件の発端は、カナダのオンラインショップが摘発されたことに始まる。違法の児童ポルノを販売していた会社だ。2013年になってカナダの検察が、ドイツ在住の顧客の名前をドイツの連邦検事局に知らせた。その800人の名前の中にエダーティー議員の名前があった。ただ、この時点では、もちろんまだ何も国民の耳には入っていなかった。

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