経営・社会
アップル対サムスン裁判の影に隠れた、グーグルの意外な落とし穴
〔PHOTO〕gettyimages

米アップルと韓国サムスンのモバイル関連特許を巡る一連の訴訟で、事実上の第2幕となる大きな裁判が、今週月曜日に米カリフォルニア州の連邦地裁で始まった。両者は2011年から日本を含む世界10ヵ国で同様の訴訟合戦を繰り広げている。

そのうち最大の争いとなった2012年8月の裁判は、アップルのほぼ完勝。この判決では、サムスンがアップルの特許を侵害したとして、サムスンに9億3,000万ドル(約960億円)の損害賠償が命じられた。

今回はそれに匹敵する大きな裁判となる。アップルは同社が保有するモバイル関連の特許5件をサムスンが侵害したとして、約20億ドル(2,000億円)の損害賠償を求めている。一方、サムスンは同社が持つ2件の特許をアップルが侵害したとして、700万ドル(約7億円)の損害賠償を求めている。

2012年の裁判も含め、一連の訴訟は、サムスン製のスマートフォンやタブレットがいずれもグーグルのアンドロイドOSを搭載していることから、事実上はアップル対グーグルの代理戦争と見られていた。その点に関しては今回も同じで、アップルが訴えた5件の特許侵害のうち実に4件がアンドロイドの技術に関連している。このため仮にアップルが勝てば、グーグルはアンドロイドの改変を迫られるとの見方がある。

今回もアップル有利か

今回の裁判も前回(2012年8月)と同じく陪審で争われ、米国時間で今週月曜日(3月31日)の初日には8名の陪審員が確定した。男女それぞれ4名づつで、その職業は「警官」、「引退した教師」、「元ソフトウエア管理者」など。また行司役の判事も、前回と同じ、Lucy Koh氏が務めるという。

こういう話を聞くと、なんだか裁判が始まる前からアップルが勝ちそうな印象を受ける。陪審制にケチをつける気はないが、それにしても米国の一般庶民が米国企業と韓国企業を裁く以上は、普通は米国企業が有利だろう。しかも判事まで前回と同じと来れば尚更だ。

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こんなことを言うとアップル・ファンや米国人の不興を買いそうだが、アップルは本来、グーグルを訴えたいが、同じ米国企業同士の裁判になると、どっちに転ぶか分からないので、敢えてサムスンを訴えているのではないか。実際、アップルは1988年に同社のMac OS関連の特許をマイクロソフトとヒューレット・パッカードが侵害しているとして提訴したが、結果はアップル敗訴に終わっている(以下の記事を参照)。

●"Apple’s War on Samsung Has Google in Crossfire" The New York Times, MARCH 30, 2014

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