「リスクオフ」から「リスクオン」へ。FRBイエレン議長発言に一喜一憂する金融市場の読み方
「FRBは雇用への支援姿勢を弱めたわけではない」と語ったイエレンFRB議長  photo gettyimages

3月末、米国FRBのイエレン議長は、講演の中で「米国の労働市場は依然として脆弱」と強調した。この発言に関して金融市場の参加者の多くは、3月中旬の記者会見で同氏が行った発言よりも、ハト派的=金融引き締めに慎重なスタンスと受け取った。

その発言のインパクトは大きかった。

前回の金利引き上げの言及によって、大手投資家は米国の金融引き締めの時期が近いとの感触から、一斉に株式や為替などリスクの高い資産の手仕舞いに走った。いわゆる“リスクオフ”の動きだ。

ところが、3月末の発言で投資家の間に一定の安心感が醸成された。大手投資家の一部は、リスク回避のために積み上げた金の持ち高を減らし、株式や為替などのリスク資産を積み始めた。“リスクオン”の動きに走ったのである。

“リスクオン”で軟調になった金価格

米国のファンドマネジャー連中と話していると、彼らが、3月中旬のイエレン議長の発言に意外感を持ったことがよく分る。元々、同議長はハト派との認識が強く、金利引き上げの時期について具体的に言及するとは考えていなかった。

ところが、同氏は、記者会見で来年の春先にも金融引き締めを行うことを示唆した。恐らく、多くの市場参加はその発言を意外と受け取ったことだろう。

そこで、ファンドマネジャーの一部は、リスク回避のために安全と見られる金の先物を買い、金価格は上昇した。

しかし、金価格の上昇は続かなかった。3月末の議長の発言は、同氏が労働市場の回復に時間がかかると考えていることを明確にしたからだ。

金の持ち高を拡大していた一部のファンド担当者は、金の持ち高を減らして株式などのリスク資産の買いに走った。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら