テレビのヨミカタ
2014年04月02日(水) 高堀 冬彦

二つの大きな冤罪事件を追った『NNNドキュメント』の功績

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「NNNドキュメント」HPより

放送時間帯が日曜深夜なので、ビジネスマンが見るのはきついだろうが、それでも『NNNドキュメント』(深夜0時50分)のファンは少なくないはずだ。

反戦、反権力、反差別、反公害を訴え続けている硬派番組。70年代までなら珍しくはなかったが、いまやNHK会長まで親政権を隠さない時代。バラエティーと見分けがつかないノンフィクション番組も増えた。権力には決して抗わず、分かりやすい悪党だけ叩く番組も目立つ。ひょっとしたら『NNNドキュメント』は最後の硬派番組なのかも知れない。

22年前に「袴田事件」の無実を証明していた

やっと再審の扉が開かれた「袴田事件」も、この番組では22年も前に決着が付いていた。92年2月に放送された『NNNドキュメント/袴田事件の謎を追う』の中で、スタッフは袴田巌さんの"無実"をすでに証明していたのだ。司法はそれを黙殺していただけに過ぎない。決してオーバーではない。少なくとも視聴者目線では無実だった。それでも再審を認めてこなかった司法は、市井の感覚と大きくズレていた。

袴田さんが凶器のクリ小刀を購入した姿を目撃したとされた女性は、その証言をスタッフの前であっさりと翻した。本当は見ていなかったのだ。

それだけではない。袴田さんが犯行現場から逃走した経路についてもスタッフは徹底検証し、人間が通ることが不可能であると断じた。

凶器購入時の証言は虚構、逃走経路はデタラメ。それなのに、どうして袴田さんがクロなのか?

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