「公務員になりたい人は地方に行くという選択肢もあり」 北海道平取町に移住した25歳・冨安寛樹さんインタビュー【後編】

給料をもらいながら地域に2〜3年住んで、地域をよくしていくという取り組み「地域おこし協力隊」を終えた、冨安寛樹さんを取材しました。前編はこちら

平取町の暮らしのリアル

イケダ: 生活のリアルなところを伺いたいんですが、家賃とか車とか、そこら辺について教えてください。

冨安: 車は必須ですね、僕も買いました。家賃は、約1万です。3部屋で1万円とかもありますね。

イケダ: いやー、ほんっと家賃の差には驚きますよね。

冨安: ただ不動産屋がなくて、町営住宅か持ち家に住まれるか、という感じですが、住環境でいうとよくはないと思います。風呂は自動じゃないし、トイレはボットンですし。あと、駐車場代という概念はないです。空いてれば自由に止めていい場所もあります。

イケダ: まさに北海道はでっかいどう。やっぱり寒いんですよね。

冨安: 平取は雪は少ない方ですが、冷え込むと水道凍ったりとか、住宅が古いんで寒いですね。気温はマイナス20度いきます。灯油代結構かかります・・・。

イケダ: マイナス20度! 耳取れますね。外出るんですか?

冨安: 出ますが、車のエンジンがかからなかったりします(笑)。実は、吹雪の日に事故ったんですよ。同じ日に2回。

イケダ: 一日で2回!

冨安: ホワイトアウト状態になって前が見えなくて追突して一回と、鹿が出てきて避けてスリップして落ちて二回目。死んでてもおかしくないですね。それで今、車は二台目です(笑)

イケダ: 北国はそこら辺、怖いですよね。食事はどうですか?

冨安: 自炊ですね。地元にセイコーマートとローソンと農協があるので、買い物には困らないですね。普通の一人暮らしの男のイメージですよ。ちょいちょい貰い物はありますけどね、野菜とか漬け物とか。

あと、鹿と熊は捕れますね。食肉加工施設がないのでハンターさんが自分で解体している感じですね。熊の焼き肉、味噌なんかで漬けた肉も食べました。春と秋は山菜が採れます。

イケダ: 土日の過ごし方はどうでしょう。

冨安: 一時間くらいいったところにスキー場がありますね。夏はキャンプもできます。平取は百名山もあるので、山登りにもいいでしょうね。ただ僕はインドアだったので・・・。

イケダ: インドアで何をしてたんですか?

冨安: はい、読書、読書です。ひきこもり体質なんですよ・・・。静かですからね。最高ですよー家で読書してもいいですし、ちょっといったら自然豊かで静かなところもあるので、そこで本を読むのもいいんでしょうね。あとはブログ書いたり(笑)

イケダ: うん、多分ぼくもその環境なら読書しますね。ネット環境はあるのでしょうか。

冨安: ネット環境は地区によっても違いますが、中心地的なところは普通につながります。だいぶ広がりつつあって、そこら辺の不便はなくなっていますね。

全部で1ヵ月どれだけお金がかかるかっていうと、たぶん僕はネットとスマホで約1万、家賃1万、車ローン1万、水道光熱5000、ガソリン1万、税金1万5千、食費3万・・・とかで10万あればやってけます。

イケダ: うぅ、さすがですねぇ。安い。若い人はいるんでしょうか?

冨安: 若い人は少ないですね。ぼくが平取に来てから、5500人くらいの街ですが、毎年100人ペースで減っています。亡くなっている方に加えて、高校生が卒業と同時に街を去ります。

イケダ: 戻っては・・・こないんでしょうね。

冨安: ですね。高卒でもちろん残る若い方もいて、パターン的には農家か、農協か、役所か、福祉関係か、学校の先生か・・・かなり限られますよね。土建会社もありますが、どの会社も厳しいみたいです。

観光産業はアイヌ文化もあったりと可能性を秘めてるのでどうやって情報発信していけるか、が今後の課題だと思います。その辺りは地方の弱い部分ですよね。

イケダ: 他の街の課題でいうと、どんなものがあるのでしょうか?

冨安: 生活インフラの老朽化が進んでいますね。学校、病院、役場の庁舎、町営住宅・・・生活環境の問題が大きいです。人口減るわ、税収減るわ、生活インフラ老朽化するわ…という感じで、地方にはこういう町が多いと思うので、地方の暮らしって生活環境を考えると厳しい部分がかなりあると思います。

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