現代新書

人生をリセットし、
人生を楽しむキーワードがデジタル・ワビサビ

『デジタル・ワビサビのすすめ』著者・たくき よしみつインタビュー(前篇)
たくき よしみつ

──たくきさんは今まで、「ワードを捨ててエディタを使おう」とか「テキストファイル主義」とか「デジカメに1000万画素はいらない」とか「ガバサク流デジカメ写真術」とか「大人のための新オーディオ鑑賞術」とか、デジタルツールの使いこなしについては常に一家言持って主張してきましたよね。デジタル・ワビサビもその路線の延長にあるわけですね。

たくき よしみつ(鐸木 能光)1955年、福島市生まれ。1991年、原子力政策の闇をテーマにした『マリアの父親』で第4回小説すばる新人賞受賞。作曲、デジタル文化論、狛犬研究など幅広い分野で活動。2004年に転居した福島県川内村で原発事故被災。その体験を元に『裸のフクシマ』(講談社)、『3・11後を生きるきみたちへ 福島からのメッセージ』(岩波ジュニア新書)を執筆。現在は日光に居を移し「デジタル・ワビサビ」を生涯のテーマに活動を続ける。

たくき:まあ、そうなんですけど、気分的には今までよりずっと緩くなってきましたかね。

──緩く、と言うと?

たくき:歳を取ったせいもあり、理不尽さや不条理にいちいち腹を立てるより、いかに楽しむかを考えたほうがいいという考えになってきましたね。世の中が息苦しくなればなるほど、個人としては楽しみ方を学ばないとやってられない。そうした思いは「フクシマ」以降、ますます強くなりました。

──そうでしたね。講談社では2011年秋に出した『裸のフクシマ』以来の本になるんですよね。たくきさんは中越地震で家を失った後に福島県の川内村に新天地を見つけて住み着き、7年後に今度は原発が爆発して村が全村避難になってしまった……。

たくき:その話もちょっとしてもいいですか? この本を書くにあたっての自分の中での気持ちの変化はやはり「フクシマ」と深い関係があるし、今度の本の中では書けなかったことでもあるので、こういう機会に話しておきたいな、と。

──ええ……では、はい。どうぞ。

新生・ブルーバックス誕生!