企業・経営
消費増税よりも保有減が痛い!? 自動車ディーラーの優勝劣敗を左右する「2014年問題」への対応
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4月1日の消費増税を控えて、テレビのワイドショーでは、日用品の駆け込み需要の話がよく報じられているが、自動車の駆け込み需要はすでに終っている。消費税率5%が8%に適用されるのは購入契約を結んだ時点ではなく、陸運局に登録した時点になるため、消費者は契約から納入までにかかる時間を見越して、駆け込み需要のピークは1月から2月初旬となっていたからだ。

自動車ディーラーからは駆け込み需要に対する反動減を懸念する声も出ている。消費税率が3%から5%に引き上げられたのが1997年。その前年の96年に国内の新車販売は708万台だったのが、97年を挟んで98年には96年比17%マイナスの588万台にまで落ち込んだ。それ以来、日本の新車販売台数は600万台を超えたことがない。前回の消費増税の影響を勘案して、4月以降は新車販売が15%~20%程度落ち込むと予想するディーラーも多い。

保有をベースに利益を稼ぐビジネスモデルに暗雲

ところが、予想される反動減よりも、ディーラーの経営にとってもっと深刻な問題がある。それは、「車検入庫」の大きな減少だ。自動車ディーラーは整備部門を併設しており、自社で売った新車を車検整備もして収益を上げる経営体制をとっている。

たとえば、トヨタの国内ディーラーの場合、売上高の約50%が新車販売で、30%が車検などのサービス。利益ベースでは車検などサービスへの依存度がさらに高い。日本の多くの自動車ディーラーは、母国市場が縮小していくことを前提に、新車販売に頼るだけではなく、車検サービスや損害保険など車の保有をベースにビジネスを展開して収益を上げる経営体質に転換してている。

日本では新車購入後、丸3年を経たところで1回目の車検を受けなければならない。ところが、2014年に1回目の車検対象となる11年の新車販売台数は前年比15%減の421万台にまで落ちた。3月11日の東日本大震災の影響で半導体など部品供給が止まったことで生産が停止、それに伴い、新車の販売が落ち込んだからである。

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詳細を見ると、11年4月以降、軽自動車を除く登録車は8月まで大幅な販売減が続いた(4月=前年同月比▲51%、5月=同▲38%、6月=同▲23%、7月=同▲28%、8月=同▲26%)。軽自動車も同様に4月から9月までは大きく販売が落ち込んだ(4月=同▲41%、5月=▲25%、6月=▲18%、7月=▲14%、8月=同▲16%、9月=同▲9%)。特に今年の4月以降から夏までは「車検入庫」が大きく減ると見られる。

さらに、追い討ちをかけるのが、2008年9月のリーマンショックの影響で、09年も新車販売は前年比10%マイナスの460万台となったことだ。この09年に販売した新車が14年に2回目の車検を迎えるが、この対象車も減少しているのだ。

リーマンショック、大震災と続いた大きな「災難」によって保有台数が減ったために、収益源である「車検入庫」も減り、保有をベースに利益を稼ぐビジネスモデルに暗雲が立ち込め始めていると言っても過言ではない。ダイハツ系ディーラーの経営者は「08年のリーマンショック後も国内販売の不振が続いたことで丸5年経って2回目の車検を受ける母体数も少ないので、4月以降は収益的に相当厳しくなる」と見る。

トヨタ系大手ディーラーの大阪トヨタ自動車幹部は「4月から6月で車検台数は15%減少する見通し」と言う。同社では車検到来月を「N月」として、車検の6ヵ月前から顧客を丹念に回って、車検を他社に奪われないようにする「N6活動」を徹底推進している。

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