不正・事件・犯罪
猪瀬直樹「略式起訴」で「渡辺喜美8億円」どうなる? 特捜部は「有罪率99.9%」より「法廷で疑惑解明」選べ
渡辺喜美みんなの党代表の疑惑は、維新との連携を模索した2012年末の衆院選(写真は同年11月)までに化粧品のDHC会長から「8億円」を借用、一部未返却というもの。『週刊新潮』が報じた photo gettyimages

猪瀬直樹前東京都知事が、徳洲会グループから現金5000万円を受け取っていた問題を捜査していた東京地検特捜部は、猪瀬氏を収支報告書に記載しなかった公職選挙法違反の罪で略式起訴する方針を固めた――。

「略式起訴」ではなく「在宅起訴」が妥当では?

マスコミ各社が、3月19日の夕刊で、こういっせいに報じた翌日、『週刊新潮』は、渡辺喜美・みんなの党代表の「8億円疑惑」をスクープした。

化粧品やサプリメント販売会社ディーエイチシー(DHC)の吉田嘉明会長が、同誌に発表した手記で明らかになったもの。そこに至る渡辺代表と吉田会長の関係は複雑だが、疑惑の構図はシンプルだ。

吉田氏は、2010年7月に実施された参院選の前月に3億円、12年12月の衆院選の前月に5億円、渡辺代表の個人口座に振り込んだというもの。その後、2億4700万円が返済されたものの、今も5億円超の借り入れがあり、各種報告書への記載が不十分。渡辺氏は、政治資金規正法や公職選挙法に抵触する可能性がある。

まず、猪瀬氏だが、氏の立件の難しさは、5000万円をどう捉えたかという認識にあり、徳洲会グループの徳田虎雄前理事長と徳田毅前代議士は、特捜部の調べに「政治資金として渡した」といい、猪瀬氏は「借入金だった」と、主張した。

証拠(押収した5000万円)はあるし証言(徳田父子)もある。通常なら立件は容易だが、今は、3年前の証拠改ざんの大阪地検事件を踏まえて「特捜改革」の最中。「否認案件はやらせない」という検察首脳の意向で、一時は、不起訴処分が濃厚になったという。

それが、公判請求されず、50万円以下の罰金で済ませられる略式起訴とはいえ立件できるのは、不起訴処分にすれば検察審査会で「起訴相当」となり、裁判に委ねられるのが確実で、猪瀬氏と検察の双方が、小沢一郎氏の政治団体・陸山会を舞台にした政治資金規正法違反事件のような長い法廷闘争となるのを避けたかったからだろう。

折衷案だが、徳洲会側に東電病院買収の“思惑”があり、贈収賄の構図も指摘されていたことを考えれば、徳洲会側の狙いにまで踏み込める在宅起訴のうえで公判請求、という流れの方が望ましかった。

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