郵政民営化が迷走している。3月30日には結論を出すというが、郵政見直しは連立政権の公約でもあったのに、政局優先で、政策的な詰めがまったくできていなかったことが原因だ。これを政局的にみれば、小泉憎しの亀井静香郵政相・金融相の一人劇だ。

一般国民の支持率も低迷している国民新党にとって、数十万票ともいわれた全国郵便局長会(旧全特)や郵政の労働組合にたくすしかないのだから、なりふりかまわずの選挙対策でしかない。
ただし、政局論と政策論は、横糸と縦糸のようにうまく連携しないと、大きな改革はできない。小泉改革の郵政民営化でも、政局論として郵政民営化は旧田中派の利権つぶしといわれていたが、政策論として、国営のままでは郵政の破綻が見えていた。
そのために、2005年の法案提出までに政府内の経済財政諮問会議等と並行して、与党内の政調等での議論に2年程度の時間をかけている。
それに比べて鳩山政権の議論は質・量ともに劣っている。その一方で、亀井郵政相は、全国郵便局長会の声にすぐ反応し、郵便局内に設けた間仕切り、監視カメラの撤去などを日本郵政に命じ、日本郵政は、適正な単価見積もりなしで緊急措置として10億円以上の経費をかけ作業を開始している。
ここで、このような政局論による「滑った転んだ」という現実描写ではなく、政策論で郵政の行く末をみてみよう。マスコミは数字が出てくる政策論が苦手であるが、政局論だけで郵政をみるのは誤りだ。
鳩山政権が次々に進める「国有化」
まず、鳩山政権による郵政の見直しは、正確にいえば、「ゆうちょ銀行」と「かんぽ保険」の完全民営化ではなく、政府が株を持ち続けるのであるから、国際基準からみれば、再国有化である。こうした動きは、政権交代で鳩山政権になってから顕著である。例えば、政策金融機関である政策投資銀行や商工中金でも完全民営化が撤回されている。
また、道路公団も民営化したが、高速道路無料化という方針で料金収入がなくなるわけだから、これも実質再国有化だ。
さらに、民間企業であるJALの再建にも国家が介入しているので、これも再国有化といえる。また、独立行政法人であった印刷局は国の再機関化の方針だ。
かつて印刷局は財務省内の一部局であったが、独立行政法人化したら、天下りがうるさくなった。そこで、再び国の機関とすることで、天下りも正々堂々と部内人事として行えるというわけだ。
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