グーグル・グラスから新しいジャーナリズムを追究する教育プログラムが、今秋開講

Creative Commons: Some Rights Reserved. Photo by Giuseppe Costantino

身につけられ、ネットワークに接続できるウエアラブル端末は、スマートフォンに続く次世代端末として、今、もっとも注目されている市場です。米ジュピターリサーチによると、2018年には、ウエアラブル端末の出荷台数が1億3000万台となり、2013年に比べて約10倍に成長。グーグルが開発する「グーグル・グラス(Google Glass)」などのメガネ型のウエアラブル端末だけみても、年間出荷台数は、2013年の8万7000台から、2018年までに1000万台を突破すると予測されています。

そして、いよいよ、この新しいテクノロジーをジャーナリズムの領域に取り入れようとする動きも現れはじめました。

その代表的なものが、2014年秋学期から開講される、南カリフォルニア大学のアネンバーグ・コミュニケーション・ジャーナリズム学部(USC Annenberg School for Communication and Journalism)の教育プログラム「グラス・ジャーナリズム(Glass Journalism)」です。

このプログラムの企画・設計を担当し、教鞭をとるのは、ウェブジャーナリズムが専門のロバート・ヘルナンデス(Robert Hernandez)教授。ヘルナンデス教授は、グーグル・グラスを自ら身につけ、様々な実験を行い、随時、その動向をツイッタータンブラー(Tumblr)を通じて公開してきたことでも知られています。

新しいプラットフォームで新しいジャーナリズムに挑戦

「グラス・ジャーナリズム」では、グーグル・グラス向けアプリケーションの企画・開発を通じて、ジャーナリストと読者の双方の立場から「ウエアラブル端末という新しいプラットフォームで、どのようなジャーナリズムが実現できるか?」を追究します。

具体的な研究課題としては、「効率的かつ効果的な取材活動にウエアラブル端末がどのように活用できるか?」、「記事コンテンツの製作プロセスや表現手法にどのような影響がもたらされるか?」、「ウエアラブル端末にふさわしい記事とは、どのようなものか?」、「ウエアラブル端末だけが実現できる特別な読者体験とはどのようなものか?」といったテーマがあげられるでしょう。

なお、このプログラムは、南カリフォルニア大学の全学生が応募可能。ジャーナリズムを専攻する学生のほか、デザインやコンピュータエンジニアリングなど、他の分野を専攻する学生も積極的に受け入れることで、多様な知識・スキルを持つ学生たちが刺激し合い、相乗効果を生み出すことが期待されています。

まだ米国でも市販されておらず、ほとんどの人が身につけた経験のないグーグル・グラスを、あえて、この段階で、大学のジャーナリズム教育に取り入れようとしている背景には、ジャーナリズムがこれまで、新しいテクノロジーへの対応において、常に後塵を拝し、他の業界の後追いに終始しがちだったことへの反省があるのかもしれません。

「グラス・ジャーナリズム」は、ジャーナリズムがグーグル・グラスという最先端のテクノロジーにいち早く接点を持つ貴重な機会であるのみならず、新しいプラットフォームで新しいジャーナリズムのかたちを自ら定義づける、大いなる挑戦への一歩ともいえるでしょう。

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