「海外では福祉としてセクシャルマイノリティの問題に取り組んでいます」---Queer & Ally代表・はるさんインタビュー【後編】

LGBTsにまつわる講演・研修・場づくりを行う「Queer & Ally(クィア・アンド・アライ)」の代表前田健太さん(はるさん)、メンバーのれんさんにインタビューしました。前編はこちら

「彼女/彼氏いる?」ではなく「恋人いる?」

イケダ: 普段の会話の上でなど、知っておいてほしいことなどはありますか?

はる: 「女性だから」、「男性だから」という区別はちょっと意味がわからないですね。「男は黙って従え」「男は言いたいことあるならはっきり言え」って矛盾したことも聞きますよね。

れん: それから、恋人について話すときに「彼女いる?」とか「彼氏いる?」ではなく、「好きな人いる?」、「恋人いる?」という風に聞いてほしいです。

ほかにも、「女性だから化粧しなさい」みたいなこととか。日常会話ってその人にとっても困り具合は人によって違ったりするので、自分は困っていなくても相手は困っていることはしばしばあります。

会話ではありませんが、もし自分が交通事故に遭ったら、男子高校生か男子中学生として搬送されて、「あれ? 戸籍は女性だ・・・」と面倒なことになったりすると思うんです。あとは、男性部屋なのか女性部屋なのかという問題もあったりします。

はる: トランスの人だとトイレはどこにいくかも問題になりますね。車いす用トイレに行くと「なんでそこに行くんだ」と言われたり。「トイレのことか、ちょっと我慢すればいいじゃん」と思われるんですが、行くたび毎回自分のアイデンティティを問われるのは、自分だったらと想像するとつらいだろうなと思います。

想定されているかどうかは大切で、「だれでも参加OK」というときに、「自分は想定されているのだろうか」、と考えたりします。

れん: 僕は勉強会が苦手で、文字を書いてポストイットに貼ってといわれても、学習障害があるので書けないんです。でも、代筆を頼めるかどうかは勉強会の案内には書いていないので「行って大丈夫かな」、と悩むことがあります。「僕書けないんですが、どうすればいいのか?」って言いづらいですし。

あとは交流会だとアンケートに「男性・女性」としか書いてなくて、「その他」も付け加えてほしいな、と思うこともあります。

はる: 就活とかで履歴書を書くときでも、「その他」があるだけで「ココならいけるかも」と思ったりします。LGBTsの人たちのために何ができるかというのは、そういうところからも始められるじゃないでしょうか。「男・女」の間の点に丸を付けていても、別にふざけているわけじゃないんです(笑)

多くの場合、わざとでもないし、排除する気もないけど、知らないがためにしてしまうことが多い気がします。そういうことを対話のなかでお互いに埋めていくことが大切だと思いますね。

れん: 自分の性に悩み、性同一性障害を知らなかったときに、僕だけが性別の捉え方が違うことに疑問を感じました。その後、LGBTsという考え方を知りましたが、もっと早く知る機会がほしかったです。

障害者の性教育だと、十年前に七尾養護学校の事件があって、先生が一切性教育を教えられなくなったのです。十年経って裁判に勝ったんですけど、また性教育を始めるのが難しいような状況です。障害の種別に対応するのが難しく、教師も性教育について知らないので教えられないのかと、僕は思います。

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