ナデラ新CEOはマイクロソフトを再生できるか---動き出したアップル融和戦略
〔PHOTO〕gettyimages

サトヤ・ナデラ(Satya Nadella)氏がマイクロソフトのCEO(最高経営責任者)に就任して約1ヵ月半が過ぎた。同社は3月17日にMS OneNote for Macを発表し、同26日には待望のOffice for iPadをサンフランシスコで発表した。

スティーブ・バルマー前CEOが嫌った「アップルiPad」対応製品を立て続けに投入したことで、マイクロソフトのニュースが大手メディアでも増えている。いよいよナデラ新CEOによる新生マイクロソフトが動き出した。クラウドとモバイルに資源を集中させるナデラ戦略は、同社を再び成長路線に戻せるのだろうか。

ようやくアップル対応製品を投入

3月26日、サンフランシスコに集まったメディアを前に、ナデラCEOは待望のOffice for iPadを発表した。ワープロ、表計算、プレゼンテーションなどの統合アプリ「Office」はマイクロソフトの表看板。現在はパッケージからオンラインで利用できるOffice 365へと移行が進んでいる。

これまで、マイクロソフトは頑なにiPad向けの製品を出してこなかった。Officeは同社のタブレットSurfaceにのみ搭載し、アップルiPadとの差別化に利用された。しかし、タブレット人気はアップルのiPadシリーズやサムスン電子のGalaxyシリーズに集中しており、Surfaceは失敗に終わった。

新たにCEOに就任したサトヤ・ナデラ氏は、従来の方針を刷新しようとしている。たとえば、OneNote for Macの投入はモバイル環境で手軽に書類やメモができるエバノートやドロップ・ボックスに対抗する戦略だ。同アプリは、家庭や学生向けには無料で提供したことから、発表直後にアップル・ストアーの無料版部門でトップを飾り注目をあびた。

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そして今回、多くのユーザーが現在も利用し続けるOfficeのiPadを投入し、アップル陣営における本格的なユーザー拡大を狙っている。Office for iPadは無料でダウンロードすることができる。

しかし、Office ファイルの閲覧は無料でできるが、作成や変更はOffice365のアカウントが必要になる。米国を対象にしており、日本語には対応しているが、日本での発売は未定だ。iPad版発表により、iPhoneとAndroid携帯用のOffice Mobile for Office 365 subscribersはOffice Mobileに変更されるとともに、Office 365のアカウントなしで編集も可能になった。

マイクロソフトのモバイル戦略は、明らかに変わろうとしている。これは多くの機関投資家が望んだ方向だった。

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