キムタクは俗世間には存在しない"平成のHERO"を演じ続けるべき!

PHOTO by Getty Images

4月からスタートするフジテレビの新しい「月9」は、尾野真千子が主演する『極悪がんぼ』なのだそうだ。

「がんぼ」とは広島の古い方言で「乱暴者」「やんちゃ」「悪いやつ」という意味らしく、そんな悪漢たちと尾野が扮するトラブルシューター・神崎薫が、対峙する物語になるという。

共演は、椎名桔平、三浦翔平、仲里依紗、竹内力、小林薫、さらに三浦友和ら。物語も出演陣も従来の月9とは随分と異なる。このため、「フジが月9の恋愛路線、トレンディ路線を捨てた」などと話題になっている。

しかし、フジの制作陣に聞いたところ、本当は木村拓哉が主演した2001年の大ヒット作『HERO』の続編を放送する予定だったそうだ。が、どうしても時間的に間に合わず、ほかの枠で放送する予定だった『極悪がんぽ』をコンバートしたという。月9の路線はまだ大筋で変わらないのだろう。

キムタクだけが演じられる"あり得ない男”

『HERO』は全11話で平均34.3%の視聴率をマークした。最終回で42.2%を記録した『半沢直樹』(TBS)でさえ全話平均では28.7%だから、怖ろしいまでの高視聴率である。

「あのころはキムタク人気が絶頂だったから」という声もあるが、筆者はそう思わない。俳優・木村拓哉の本領が十二分に発揮された役柄で、なおかつ視聴者のマインドに合致した物語だったから大成功したと考えている。

『HERO』で木村が演じたのは、型破りな検事・久利生公平。普段着はジーパンとダウンジャケットだし、検事バッジの秋霜烈日章はポケットにしまっている。ことなかれ主義の上司が言うことなんて、屁とも思っていない。

ただ、検事にとって一番大切であるはずの正義感は猛烈に強く、最終学歴は中卒ながら、頭も抜群に良い。庶民の目から見れば、まさしく『HERO』であり、こういった規格外で力強く、みんなが憧れる男を演じさせたら、当代ではキムタクがピカイチだろう。

まず、半端な二枚目ではないことが強みだ。少女漫画の中にしか存在しないようなスーパーマン役もキムタクがやると真実味が生じる。そもそもキムタクのようなルックスを持つ男は、昭和の時代までなら、少女漫画の中にしかいなかったのだ。

並みの二枚目が演じたら、久利生公平役は嘘っぽくなっただろう。あり得ない男なのだから。失礼ながら、当代屈指の演技巧者である堺雅人でさえ難しい役柄であるはずだ。

『ビューティフルライフ』(TBS)の沖島柊二役もそうだ。医師一族に生まれながら、反発して美容師となり、技術はあるものの、客の人気はない。普通なら、「そんなヤツいないよ」と突っ込まれるが、キムタクであるがゆえに許された。車椅子の生活を送る図書館司書・杏子(常盤貴子)に愛情を降り注ぐのも素直に納得させられた。

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