社長の風景

稼働率など目先の数字だけを気にしていてはいけない。社員にはいつも「お客様に感謝と感動を」と伝えています。

スーパーホテル 山村孝雄

2014年03月27日(木)
週刊現代
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出張族に人気の「スーパーホテル」。フロント近くに置かれた様々な枕を選んで使えるといった独自のサービスや、1泊5000円前後という低価格で、部屋の稼働率が90%を超える人気を誇る。大阪で'89年に設立され、現在は国内104店舗、海外1店舗を運営する。社長は、山村孝雄氏(68歳)。創業者で現会長の山本梁介氏から社の経営を任された人物だ。取材時、好調な業績に言及すると、彼は「どうかほめないでください」と平身低頭した。


稼働率など目先の数字だけを気にしていてはいけない。社員にはいつも「お客様に感謝と感動を」と伝えています。やまむら・たかお/'45年、奈良県生まれ。'68年に大阪経済大学経済学部を卒業し、当時の大阪屋證券(現在の岩井コスモ証券)へ入社。その後、郵政省(現在の日本郵政グループ)勤務を経て'72年に住宅業界へ飛び込み、現会長・山本梁介氏と出会い、'96年にスーパーホテル社長へ就任、以来現職。お客様に「感謝・感動を」が口癖 ※スーパーホテルのwebサイトはこちら

好評が怖い

私、売り上げなど経営に関する数字がいいと怖いんです。お客様が「このホテル、評判がいいよね」と泊まってくださっても、何ら感動を与えられなければ、心の中で「何やこのホテル」と叫ばれるでしょう。お客様に「感謝」し、やるべきことをやるのは最低限のこと。

たとえば雨の日、フロントで髪や鞄を拭くタオルがスッと出てくるなど、プラスαを考え続けて初めて「感動」していただける。現在は過去の遺産。ほめられて社員が慢心すれば、お客様は離れていかれます。私などが高みに登ったような顔などしたら、すぐお客様の支持を失うでしょうね。

原点

生まれは奈良県の農家です。山奥の田舎で、春や秋には都会の家族連れが自動車で行楽に来るようなところですよ。ところがウチは農家だったから、私は秋の稲刈りの後は月明かりの下で農作業。行楽客の中の同じ年くらいの子供がうらやましくて・・・・・・。見るたび、「将来、キミらには負けへん」と思い続けていた(笑)。これが私の原点です。

思い込み

いつからか、自分は相当な負けず嫌いだと気づきました。大学卒業後、証券会社に入ったんですが、成績が1番でなければ気が済まない。

'72年、当時は住宅販売をしていた弊社に転職してからも、家に帰る時間が惜しかったから、営業車に歯ブラシを持ち込み、車の中で生活するほど仕事に打ち込んだ。子供のころ、行楽客を見たのが、この負けず嫌いの源だったのだと思います。

旅行 21歳だった'66年のとき、北海道・摩周湖をたずねたときの記念写真。「元々、旅行は好きだったけど、いまは旅行と言えばホテルの視察ばかり(苦笑)」とか

仕組み

弊社のビジネスモデルは、土地をお持ちの方に弊社企画のホテルを建築していただき、20~30年間借り上げて、賃料をお支払いするというものです。質は落とさず、「出張旅費の範囲内で、宿泊し、よそで一杯飲め、さらにお土産も買える」という低価格を維持しているため、長期間、安定経営できるんです。

交渉

私は交渉が下手なので、オーナーさんとも土地の賃貸料の交渉はしません。買い物をするとき、1万円のものを安くしてと頼んで8000円になったら、逆に「最初から8000円にすればいいじゃないか」と思いますよね。だから私は最初に誠意のある価格をご提示し、駆け引きしない。交渉の要点は、スーパーホテルのコンセプトをしっかりと伝える。約束したことは守る。あいまいな表現はしない。迷っておられる方には、納得するまで考えていただく、この4点だけ。駆け引きは、後味の悪さを残すだけだと思います。

習慣

私生活でのこだわりは、健康のために毎朝5時前に起き、1時間ほどかけて1万歩ほど歩くことです。50歳のときからもう19年間続けています。以来、外国に行っても欠かしません。雨が降ったとか、腰が痛いとか、やらない理由はいくらでもありますよ。でも、私はそんな言い訳が一番嫌いなんです。どうせやるなら、やる理由を強く念じる事が大切だと思います。

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