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栄光はあまりに短く、儚かった 小保方晴子さんは、これからどうなるのか?
週刊現代 プロフィール

「理研に今現在いる多くの研究者たちは、死ぬまで理研にいようとは思っていません。予算が大きく施設が充実しているのは確かですが、いつか大学や他の研究機関に引き抜いてもらいたいと思っている研究者が大半です。しかし、そのためには業績をあげて、他の人よりも目立つ必要がある。

そういう事情があって、理研内にはコピペや捏造が起きやすい状況があることは否定できません。ひとつひとつは小さなものでも、誰も気づかないままそれが見逃され、責任の所在もはっきりしないままどんどん積み重なった結果、やがて今回のような大事件が発覚することになります」

理研では成果主義が導入されており、とくに若手研究者は、1~2年という短いスパンで成果をあげることが求められ、強いプレッシャーがかかるという。

「内部ではいつも『花火(業績)をあげろ』などと言われます。研究成果が出なければクビ。だから無理にでも大きな花火を打ち上げ、実績をアピールしなければなりません。お互い様の部分もあり、そのため、身内のチェックが甘くなっていることも否定はできない」(理研の元研究者)

前出の大学教授が、こう続ける。

「実は理研のHPでは、しょっちゅう『世紀の大発見』の発表が行われている。あれは政府やマスコミに向けたパフォーマンス。理研は、お役所なんです。彼らが考えているのは、本筋の研究成果ではなく、むしろ『いかに上手く資金を引っ張って来るか』ということ。それが行き過ぎた場合、小保方さんのような、ある種のトリックスターを生み出してしまうことになる」

一方でそんな体制的な問題以外に、同じ分野で山中伸弥・京都大学教授がiPS細胞の開発でノーベル賞を受賞したことで、関係者に「焦り」があったという指摘も出ている。

「たとえば笹井氏はES細胞研究の第一人者ですが、山中教授のiPS細胞に、再生医療研究のお株を奪われてしまいました。iPS研究は2014年度には年間約150億円もの予算がつけられるほど再生医療分野の『目玉』となっている。こうした中で、非iPS派の研究者たちの中には、インパクトのある大発見をしなければ、自分たちの研究が尻すぼみになってしまうという恐怖があった可能性があります。そうでもなければ、あそこまでデタラメな論文に、高名な研究者たちがいとも簡単に飛びついてしまった理由がつかない」(別の理研関係者)

理研は当面、小保方さんらを含む当事者を矢面に立たせることはせず、さらなる「調査」を続ける構えだ。だが、STAP細胞の真偽にかかわらず、度重なる論文の不正発覚という時点で、笹井氏ら小保方論文の共同著者や、彼女の博士論文をノーチェックでスルーした早稲田大学の教授陣らは、今後厳正な処分を受けざるを得ない状況にある。

さらに生物学会のベテラン研究者はこう語る。