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栄光はあまりに短く、儚かった 小保方晴子さんは、これからどうなるのか?
週刊現代 プロフィール

「画像の流用は完全に故意でしょう。同じ論文内での画像の取り違えならともかく、博士論文の画像を『ネイチャー』論文に使うというのは、意図的でなければ起こりようがないことですから。彼女は不正を自覚しながら、画像を流用したと考えるのが自然です」

「日本」の信用問題に発展

理化学研究所は3月5日、STAP細胞の作成手順を解説する「プロトコル」を公表したが、逆にそれも他の研究者らを失望させた。『ネイチャー』論文でSTAP細胞の発現に必要とされていた現象が、プロトコルでは「確認できなかった」と書かれていたのだ。自らが書いた論文の正当性を、自ら否定したわけで、専門家ならずとも、「一体何がしたいのか分からない」と声をあげたくなる。

事ここに至って、小保方さんの共同研究者で、『ネイチャー』論文の共著者でもある山梨大学の若山照彦教授も、ついに匙を投げた。

「(小保方さんを)信じている」と、彼女を庇ってきた若山氏が、「STAP細胞の存在に確信が持てなくなった。論文を撤回すべきだ」と呼びかけたのだ。

京都大学iPS細胞研究所特定准教授の八代嘉美氏はこう語る。

「この問題は今後、より大きな影響を及ぼすと思います。小保方さんのように、『ネイチャー』の同じ号のなかに同じ著者の論文が2つ入るというのは、そうそうあることではない。『ネイチャー』側もSTAP細胞の論文はそれだけインパクトのある、センセーショナルな記事だと判断していたということを意味しています。もし、それほど注目されていた2本の論文に、取り下げや大きな修正が加わればどうなるか。もはや理研どころか、日本という国の信用問題にまで発展する可能性があります」

理研には、年間約850億円の国費が投入されている。巨額の税金を使うことが許されるのは、そこにいる研究者たちが日本を代表する頭脳の持ち主であり、彼らの研究成果が、科学の発展を通じて国民生活の向上につながると期待されているからだ。

その研究費を使って、小保方さんらはSTAP細胞の発見を大々的に発表。会見で「夢の若返りが実現できるかも」などと自画自賛した。理研もプレスリリースで「従来よりも簡単に、短時間で作成できる万能細胞」だと、メリットの大きさを全世界に喧伝した。

難病や不治の病に苦しむ人々は希望を持っただろう。そんな夢の細胞ができたなら、自分や家族が救われる日が来るかもしれない。

ところが、もしもそれらが不正の末の「幻」だったとしたら—?STAP細胞関係者らは、こうした人々の期待を、最悪の形で裏切ることになる。小保方さんらに、そんな自覚と覚悟は、どれほどあったのか。