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「世界一の投資家」に独占インタビュー ジム・ロジャーズ「日本経済に何が起きるのか、教えましょう」

日銀の政策は、株式トレーダーを喜ばせるだけ・消費税増税は最低最悪の愚策だ
週刊現代 プロフィール

'07年から移住したシンガポールの自宅にて、本誌の独占インタビューに応じた。

アベノミクスはダメだと言っているくせに、なぜあなたは日本株を持っているのか。そんな質問が方々から飛んできそうなので、まず初めにその理由をお話ししましょう。

今年に入って、海外投資家が日本株の売りを加速させていることで、「日本株は終わった」などと訳知り顔で語る人がいますが、これは大いに間違っています。

なぜかといえば、安倍政権が誕生した'12年末当時を思い出せばその答えは明らかです。

当時、海外投資家が我先にと日本株に殺到して「買い」を入れ、これが日本株の上昇のスタート地点となりました。

彼らがなぜ「買い」に走ったかと言えば、民主党政権から安倍首相率いる自民党政権に代わって、紙幣をジャブジャブ刷って、市場に大量に流す政策に舵がきられたから。その一点に尽きます。

紙幣が刷られると株価が上がるというのは歴史が証明していることであり、ほぼあらゆる投資家たちがその「真実」に忠実に行動したまでなのです。

そして、現在の安倍政権はなお多くの紙幣を市場に供給しようとしている。今年1月からはNISA(少額投資非課税制度)といった税制優遇措置も始めた。こうした政策が、今後も株価の上昇をもたらすことは容易に想像できます。

日本株の終末説を語る人は、「すでに株価がバブル状態になっている」とも主張しますが、これにも騙されてはいけません。

日経平均株価は'89年末に、3万8957円という史上最高値を付けているのですよ。現在の株価はそれよりまだ6割ほど低いのです。日経平均株価はまだバブルというほどではないし、割高と言われる水準にも達していません。

海外投資家がいま日本株を売っているのは、一時的に利益確定しているにすぎない。まだ株価の天井は先にあるのに、彼らが売ってくれているというのは、逆に「チャンス」ともいえるでしょう。

日本人の暮らしはどうなる?

とはいえ、この株価上昇も「今後1~2年」の話です。そこから先は、アベノミクスが日本経済の根幹を蝕んでくるからです。

アベノミクスは第一の矢である金融緩和、第二の矢である財政出動、第三の矢である成長戦略という3本の矢だと言われていますが、第一の矢と第二の矢しか実行に移されていません。