中国
アメリカの凋落と「欧米vsロシア」の新冷戦構造をチャンスに変える安倍外交に期待したい
〔PHOTO〕gettyimages

オバマ政権の、民主党政権と似た「稚拙外交」

いよいよ24日から、オランダで核安全サミットが行われる。もちろんアメリカのオバマ大統領も出席するが、東アジアからは、安倍晋三首相、習近平主席、朴槿恵大統領の3首脳が一堂に会する。ウクライナを巡る情勢は、一つの大きな山場を迎えたことになる。

ここ一週間の情勢を見ていて痛感するのは、アメリカの威信低下の甚だしさである。私が思い起こすのは、いまからちょうど3年前に起こった東日本大震災である。あの時、日本では未曾有の危機となり、日本人は本当に苦労した。

ところが私は偶然にも当時、北京に住んでいて、直接的な「被害意識」がなかった。日本人として気持ちは大いに昂ぶったものの、その反面、中国の「冷徹な外交」を垣間見ることができた。

「弔問外交」という言葉があるが、相手国に不幸があった場合、哀悼の意を見せながらも、その不幸を利用して(いやな言葉だが国際政治の現実だ)、自国の利益の最大化を図ろうとする。同時に不幸に見舞われた国も、その不幸から立ち直るために最大限、自国の国益の伸長を図ろうとする。

あの「3.11地震」の時は、中国側にはしたたかな弔問外交があった。つまり、チャンス到来とばかりに、日本を抜き去って一気に「アジアの盟主」になろうとした。また、いかにして日米同盟に楔を打ち込むかとか、落ち込んだ日本経済の影響をいかにして最小限に食い止めるかとか、実にあっぱれな動きを見せたものだ。

それに較べて、当時の日本には「弔問外交」と呼べるものが何もなかった。なぜかと言えば、民主党政権の外交は、お粗末極まりなかったからである。そのため、これはあまり指摘されないことだが、私は当時の日本は、地震や津波、原発の被害に加えて、「民主党政権の稚拙外交による被害」も甚だしかったと考えている。

だいぶ前置きが長くなってしまった。なぜ3年前の例を挙げたかと言えば、いまの緊迫したウクライナ情勢を見ていると、米オバマ政権に、3年前の日本の民主党政権と似た「稚拙外交」を感じるからである。

昨年6月、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムにて 〔PHOTO〕gettyimages
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