川口マーン惠美「シュトゥットガルト通信」

「ロシアが悪い、プーチンが悪い」は本当か!? クリミア編入騒動で浮き彫りになる西側の傲慢とダブルスタンダード

2014年03月21日(金) 川口マーン惠美
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3月18日、赤の広場で開かれたクリミア編入を祝う集会にて 〔PHOTO〕gettyimages

ウクライナについての報道を見ていると、おかしなことばかりだ。ドイツのニュースはクリミア情勢一色で、欧米が対ロシア制裁に踏み切り、さらに日本がその列に加わったということまで逐一報道された。日本の動向をここまで仔細に取り上げるのは、珍しいことだ。

ドイツメディアの論調では、ロシアはウクライナの主権を踏みにじり、侵略し、国際法を破ったので、厳しく制裁しなければいけないという。独シュタインマイヤー外相は、「今になって既存の国境を変更するというのは、信じられない事態であり、これが認められるなら、将来、エンドレスの紛争があちこちで始まることになる」と言った。

この主張、「ロシアが悪い、プーチンが悪い」というのは、アメリカの言い分の通りで、それにEUが追随している状況だ。そして日本も同様に、17日、やはりロシア非難に加わった。ただ、EUも日本も、ロシアとは持ちつ持たれつの状態を保ちたいさまざまな事情があるので、諸手を挙げて制裁に加わっているわけではないだろう。

そもそも疑問符だらけのウクライナ暫定政権

さて私は、プーチン大統領のしていることが良いとは思わないが、アメリカよりずっと悪いとも思わない。どちらかと言うと、アメリカの方が独善的なのではないか。今まで、他国の主権を侵して出兵し、民主主義政権を樹立するという大義名分のもと、実際には治まっていた国を内乱状態に陥れてきたのは、他でもないアメリカなのだ。

イラクでも、リビアでも、シリアでも、アフガニスタンでもそうだった。アメリカが介入した国で、平和になった国は、日本とドイツ以外どこにもない。ユーゴスラビアを粉々にしたのもアメリカだ。これが民主化とは、冗談にもほどがある。アメリカが軍事介入をする理由はただ一つ、これらの国の政権がアメリカの利害に反する行動をとっていたからだ。民主主義とは関係ない。

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