賢者の知恵
2014年03月24日(月)

たかがフリーペーパーでも情報発信すれば葬式仏教のイメージは変えていける!僧侶界のイノベーター・池口龍法僧侶の【私がフリーペーパーを作った理由-中編-】

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先頃、『お寺に行こう! 坊主が選んだ「寺」の処方箋』を上梓した僧侶の池口龍法さんは、京都大学、同大学院で学び、浄土宗総本山の知恩院に奉職しながら、宗派を超えた僧侶たちのフリーペーパーを創刊した、僧侶界のイノベーターだ。
全国の寺を廻り、僧侶たちを取材し続ける池口龍法さんが観て感じた、震災前後のお寺のありかたの変貌は? 「葬式不要論」が出る一方で、仏教&仏像ブームも起こる今、仏教というビジネスモデルの可能性はどこにあるのか?――僧侶たちが抱える苦悩と挑戦を、若き変革者が本音で綴る。

 ⇒【前編】はこちらをご覧ください。

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「やめておけ」という批判を真摯に受け止め努力した日々

よく、何がこれまでつらかったかということも、たびたび聞かれます。

いちばん最初につらかったのは、周りのお坊さんに声をかけて説明しても、誰もフリーペーパーを発行する意義をわかってくれなかったことです。むしろ、やめておいたほうがいい、どうせ続かないよという声が強かった。そんなことをするよりも、お経を読む勉強をしたほうがいいというのが圧倒的でした。

創刊号はお坊さん5人が表紙をかざっていますが、実際に親身になって協力してくれたのは、表紙のお坊さんたちではなくフリーライター1人だけでした。そのフリーライターも団体を立ち上げて2か月ぐらいたったら、大阪には仕事がないからといって東京に引っ越していってしまったので、一時期は本当にひとりでやっていました。

お金もいつそこを尽きるかと気が気じゃなかったです。最初のころは毎日お金の計算をしていたように思います。お金の計算はこの4年間で本当に早くなりました。フリーペーパーを出すたびに印刷費で10万円も20万円も減っていくので、それをどう捻出するか。もし、1年ぐらいたって運営の目途が立たなければ、そのときは撤退しようと考えていました。

どんないい活動も時機が合わなければ、認めてもらえないし、広がりを見せません。だから、社会の反応は真摯に受け止めるつもりでしたが、幸い時代のニーズに合ったようで、それに続けていく努力も認めてくれたこともあって、ここまで来れたんだと思います。

2013年末には、観光庁などが後援する「日本フリーペーパー大賞2013」で、大賞に次ぐ特別賞を受賞するまでになりました。つらかった初期のころに応援してくれた人にはいまでも頭があがりません。

他にスタッフをどうマネージメントするか。ボランティアで協力してもらっているので、負荷がかかりすぎないように調整しないといけませんし、利害調整もやっぱりあります。その苦労もつらかったですけれど、いまは軌道に乗って、喜んで協力してくれるようになり、コンスタントに発行できるようになってきたわけです。

『お寺に行こう! 坊主が選んだ「寺」の処方箋』
著者:池口龍法
講談社/ 定価1300円(税別)
Amazonはこちら
楽天booksはこちら
 
傷ついた心を癒やす。気持ちをととのえるーー
あなたのお悩み&目的別に、じんわり効く仏教を体験できる、お寺の処方箋。


みんな忙しくて、どこか疲れていて、ギスギス、イライラが蔓延する今の日本。そんな世の中で自分を守り、強く、健康な心を保つために、意外に効くのは仏教だった――!

世界のエコノミストや、ITセレブからの関心も急上昇の、仏教の世界と禅の心。
そこで、日本全国の寺を旅し、多数の僧侶に会い、宗派を超えた僧侶達のフリースタイルマガジンを発行する著者が、読者の悩みや目的別に寺を推薦。
本邦初、僧侶が本音で選んだ、お寺ガイドブックの誕生です!
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